本に学ぶマンション投資

不動産サイクル理論で読み解く不動産投資のプロフェッショナル戦術

不動産サイクル理論で読み解く不動産投資のプロフェッショナル戦術

吉崎誠二 (著)

2020年3月19日発行

不動産投資で大きな利益を上げるためには、価格の上昇・下降局面など、不動産市場の流れを読み解くことが必要です。市場の流れというものは、関係する要因が多いために、プロでも完璧に言い当てることは困難といわれています。

しかし、過去のデータを読み解くと、1つのサイクルが浮かび上がってきます。

また、市場の流れを読み解くためには、テレビや新聞で報道されている情報を真に受けず、自分で一次情報に触れることが重要です。

この本では、不動産市場のサイクルや、報道されている情報の裏側などについて解説しています。

不動産価格の決まり方

不動産の投資判断や利益の算出は、すべて不動産の価格に基づいて判断することになります。最初に、3通りの不動産の価格の決め方について解説します。

原価法

原価法の考え方は、新築物件に関する価格の決め方をイメージするとわかりやすいです。まず、不動産の建設に必要な資材の費用と工事の費用、宣伝広告費や人件費などを合計して原価を計算します。

原価に売主の利益を上乗せして販売価格を決定します。なお、売主の利益は、相場や市況を加味して調整されるのが一般的です。

例えば不動産市況が好調であれば原価の20%、不動産市況が芳しくないために売れ残る可能性があれば原価の15%などです。

取引事例法

取引事例法について理解するためには、中古物件に関する価格の決め方を参考にするとよいでしょう。

実際に売買する物件と似ている物件をピックアップしたうえで、過去の取引事例を参考に価格を調整するのが取引事例法です。

収益還元法

毎月の家賃収入を、目安とする利回りで割りもどして価格を決定するのが収益還元法です。例えば、家賃10万円/月の物件を表面利回り4%として売り出すならば、以下のように計算します。

10万円 × 12ヶ月 ÷ 4% = 3,000万円

投資用不動産の大半は、収益還元法によって価格が決定されています。投資用不動産は実際に住むための不動産と比較して取引事例が少なく、同じような物件を探すのに手間がかかるためです。

不動産価格にはサイクルと呼べる波がある

日本の不動産価格は、バブル期に異常な値上がりを見せ、バブルが弾けるとともに急降下しました。その後、2000年〜2001年のITバブル期、2005年〜2008年には不動産のミニバブルとも呼べる値上がりが発生しています。

いずれも、一旦価格が上がったものの、ピークを過ぎた段階で値下がり局面に入りました。不動産も、株式などと同様に値上がり局面と値下がり局面とを繰り返しており、サイクルと呼べる波を持っています。

不動産価格の上昇と下降のサイクル

過去の統計から不動産価格が上下動するサイクルを読み解くと、次のような流れになります。

  1. 経済不況によって不動産建設の設備投資が鈍り、不動産会社の資金調達が困難になる
     
  2. 不動産の需要はあるものの、不況のため旺盛とはいえず、少しずつ需要が蓄積していく
     
  3. 景気が改善し始め、不動産需要が少しずつ顕在化していく
     
  4. 景気の改善とともに不動産会社が新規プロジェクトの建設を開始していく
     
  5. しかし、不動産の建設には時間がかかるため、供給が需要に追いつかず、不動産価格が上がっていく
     
  6. 不動産価格の上昇により、不動産会社の資金調達が旺盛になっていく
     
  7. 4〜5の頃に建設が始まったプロジェクトが完成するとともに、新築物件がどんどん完売していく
     
  8. 初期のプロジェクトが完売することで不動産会社は資金に余裕ができ、新規プロジェクトの開発をさらに加速させていく
     
  9. 8のプロジェクトが進んでいく間に、高まった需要の取り込みが進む
     
  10. 8のプロジェクトが完成する頃には、供給過多になっており、不動産価格は値崩れし始める
     
  11. 不動産業界の不況期が始まり、不動産会社の新規開発と資金調達が難しくなる
     
  12. 1に戻る

また、バブル期以降の公示地価を分析すると、上記の流れは7年を1つのサイクルとして発生していることがわかります。ただし、サイクルに当てはめると2015年〜2016年は値下がり期に該当しますが、この時期はサイクルの例外です。

2016年初頭に導入されたマイナス金利政策によってローンの金利が低下したためです。ローンを使いやすくなったため、不動産価格は2015年に一時期横ばいで推移したものの、2020年現在まで長期の値上がり期が続いています。

なお、2020年2月現在、不動産市況は今後値下がり局面に入っていく可能性が高いものの、まだしばらく横ばい状態が続くと著者は予測しています。現在の超低金利が継続される見通しであることが理由です。

一次情報に接することの重要性

不動産価格のサイクルを読み解くためには、情報収集が必要です。情報収集するのならば、新聞やテレビなどを見るよりも、官公庁が発表している「一次情報」に接する方が正確な情報を集められます。

メディアは見てもらわないと儲からない産業なので、できる限りセンセーショナルな情報を喧伝したがります。また、ポジティブな内容よりもネガティブな内容の方が注目を集めやすいため、メディアはネガティブな情報を流すことが多いです。

不動産に関する代表的な例は「空き家問題」です。近年、多くのメディアが「日本中で空き家が増加している」と報道しています。総務省が発表している「住宅・土地統計調査」を確認すると、確かに空き家の総数は増加していることがわかります。

しかし、空き家率を見ると、2008年は13.1%、2013年は13.5%となっており、5年間で急激に空き家率が上がったというわけでもありません。なお、2003年の空き家率が12.2%だったので、2008年〜2013年は、むしろ空き家率の上がり方が緩やかになったといえます。

※総務省統計局 平成25年住宅・土地統計調査
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/tyousake.html#1

投資物件選定の考え方

基本的な不動産投資の利回りは、以下の式で計算します。

年間の賃料収入 ÷ 物件の購入価格 × 100 = 表面利回り
(年間の賃料収入 - 管理諸経費)÷ 物件の購入価格 × 100 = NOI

物件価格と利回りは密接に関係しているため、多くの投資家は、この2点で物件を判断しがちです。しかし、よい物件を選ぶためには、さらに考慮すべきポイントが3点あります。

物件の立地

1つ目のポイントは、その物件は駅から徒歩何分の場所に立っているのか、周辺にコンビニやスーパーなど生活利便施設があるのかどうかなどです。

不動産投資は、通常満室を想定して利回りを計算しますが、入居者が入らなければ、家賃は入ってきません。入居者の有無は、物件の立地によって大きく異なります。

物件の構造

木造・RC造・軽量鉄骨造といった、物件の構造も重要なポイントです。不動産は、構造によって法定耐用年数が異なり、法定耐用年数はローンの審査に影響があります。なお、法定耐用年数とは、国税庁が不動産の構造別に定めているものです。

※国税庁HP
https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html

物件の築年数

不動産は、築年数が経過するにつれて価格が下がります。その一方で家賃は、築年数が経過しても価格ほどは大きく下がりません。

このため、築年数が経過している物件は、利回りが上がりやすい傾向を持っています。ただし、不動産は古ければ古いほど修繕を要する箇所も増えるため、古い物件は投資上級者向けといえるでしょう。

日本の人口減少をどう捉えるか

日本はすでに人口減少の局面に入っており、内閣府が発表している平成30年版高齢社会白書によると、日本の人口は2053年に1億人を割り込むと予測されています。

※内閣府 平成30年版高齢社会白書
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/html/zenbun/s1_1_1.html

人口の減少に伴い、衣食住のニーズが低下すると言われており、長期的な住宅のニーズを疑問視する意見があることも事実です。

しかし、人口が減少している一方で世帯数が増えていることはあまり報道されていません。また、住宅は人口単位ではなく世帯単位で必要になるものです。

総務省が発表している人口動態調査によると、例えば東京都では、2018年から2019年にかけて世帯数が1.17%増加しています。なお、日本全国の増減率はプラス0.68%です。

※総務省 人口動態調査
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei02_02000193.html

世帯数が増加している背景には、晩婚化や離婚率の上昇、単身高齢者の増加などがあると考えられます。したがって、単身者向けの不動産投資は、今後も利益を上げるチャンスがあるといえるでしょう。

まとめ

世間では空き家率の増加や人口減少など、ネガティブなニュースが多く報道されています。ニュースを見ていると、日本の不動産投資には明るい未来がないように思ってしまいがちです。

しかし、国や公共機関が発表しているデータを読み解くと、報道されているニュースが全てではないことがわかります。正確な情報を掴むためには、一次情報に触れることが重要です。

2020年8月現在では、コロナウイルスの拡大などにより、経済や不動産市況は先行き不透明になっています。実際、感染者数や企業倒産率の増加など、ネガティブなニュースは多いです。

しかし、一次情報を集めながら不動産市場のサイクルを的確に捉えていけば、不動産投資で利益を上げることはできます。この本には、データを集めるために有効となる情報源についても豊富に書かれていますので、ぜひ参考にしてみてください。



不動産サイクル理論で読み解く不動産投資のプロフェッショナル戦術

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