本に学ぶマンション投資

年収1,000万円以上の人に贈る 都市型不動産投資戦略

年収1,000万円以上の人に贈る 都市型不動産投資戦略

中せ 健 (著)

2021年8月30日発行

不正融資問題などが明るみになる前までは、不動産投資はサラリーマンの中でもブームと言えるほど広がっていたため、当時不動産投資を始めた人も多いのではないでしょうか。

しかし、ブームに乗って不動産投資を始めたものの、以下のような課題を抱える人も多いものです。

  • ローンを活用しながら投資規模を拡大したものの、入居率に不安がある
  • 地方で積算価格にこだわって物件を買い進めたものの、このままで良いのか疑問
  • 築古の高利回り物件を買い増した結果、ローンを追加利用できなくなった

不動産投資を安定的に拡大していくためには、資産や負債などの「5点バランス」を整えつつ、都市部にこだわって物件を選ぶことが重要です。

都市部の物件にこだわるべき理由

不動産投資の代表的な選択肢としては、都市部と郊外とがあります。郊外には価格が安く高利回りの物件も多いため、表面的な情報を見ると郊外の物件に魅力を感じがちです。しかし、投資を開始した後のことを考慮すれば、都市部の物件を選ぶ方が良いと言えます。

日本は人口減少時代に突入

メディアで日々報道されている通り、2021年時点の日本は既に人口減少時代に入っています。総務省が2020年初に発表した統計によると、外国人の流入数を含めても、日本の人口は前年比で約30万人減少しました。

2021年は特に、コロナの影響によって東京でも人口減少が進んでいる状況です。人口が減少しているエリアでは住宅需要が縮小するため、不動産投資においては空室リスクや物件を売却できないリスクが高くなります。

その一方で、郊外や地方に目を向けると、すでに人口減少が進んでいるエリアでは、流通や医療のインフラを担う施設が撤退せざるを得ず、求心力の低下が進んでいるところもあります。

都市部から人口の流出が始まっているとはいえ、郊外よりも都市部の方が求心力を持っていることは明らかです。コロナが収束した後も見据えるのであれば、再び都市部に人口が集まってくる可能性もあります。

都市部の物件は将来的に売却できる

不動産投資においてエリアを選ぶ上では、銀行からローンを引き出せる物件・エリアであるかという観点が重要です。今後、インフラを維持できないまでには至らないとしても、人口減少が進んでいるエリアでは、銀行からの評価が下がる可能性は高くなります。

融資付けに行き詰まるエリアの物件は、物件購入時に多額の自己資金を求められるだけでなく、売却時の売却先も限定されることになります。不動産投資の最終的な収支は、毎月の運用収支と物件の売却益を合計して判断されるため、売却に失敗すると、投資そのものが失敗という結果にもなりかねません。

もともとの人口が多い都市部では、コロナ禍において人口減少が始まったとしても、まだ何かしらのニーズを見込めるため、売却先が見つからないという失敗の可能性は低いものです。

融資戦略において重要なポイント

不動産投資の融資戦略を考える上で重要なポイントは、まず自分自身の状況を整理することです。そのほか、収支に関するバランスを整えることも必要です。

金融機関の評価対象は物件だけではない

不動産投資をするにあたってローンを使うのは一般的です。しかし、ローンを使うにあたって自分の状況を整理できていない人は少なくありません。

例えば「ローン審査を通過できなかった」「追加の融資を断られた」などのケースは多いものです。しかし、金融機関は申込者との取引を断る理由について開示していません。

また、「ローンを使えるから物件を購入する」「融資条件が合わないから購入を見送る」というケースも多いものです。しかし、本来は「自分に合った物件を購入する」のが正しい投資判断であると言えます。

金融機関からの評価しか見ていない状態で物件を選ぶと、入居率が低い・修繕費がかさんで現金収入を残せないなどの結果になりかねません。そのほか、自分の状況を把握できていないと、そもそもどんな金融機関であれば融資を受けられるのかも判断できなくなってしまいます。

5点バランスを整える

金融機関は、例えば法人からローンの申込を受けたときには、バランスシートと損益計算書を見て審査を進めます。これらの評価を上げるためには、以下の5点を整えることが重要です。

  • 返済
  • 負債
  • 資産
  • 収入
  • 売却

上記の5点が整っていると、以下3つの計算をしたときにすべての結果がプラスになります。

  • 資産(積算評価)- 負債
  • 売却価格(実勢価格) - 負債
  • 収入 - 返済

まず、「資産(積算評価)- 負債」の計算が最初からプラスになる人はほとんどいません。これについては、時間をかけてマイナス幅を少なくしていくことを目標にします。

なお、資産と負債のバランスを考慮せずに物件を買い増していくと、いずれ与信枠を使い切ってローンを利用できなくなります。これは新築区分マンションを買い増していく人に多いパターンです。

続いて「売却価格(実勢価格) - 負債」についてですが、これは実際にいきなり物件を売却するわけではありません。想定される物件の売却価格が、抱えている負債よりも高い状態となることが重要です。

負債額が売却価格を上回るということは、物件を売却してもローンを返済しきれないということになるため、金融機関から貸し倒れリスクが高いと判断されてしまいます。

「収入 - 返済」のバランスについては、返済比率とも呼ばれます。返済比率とは、毎月のローン返済額が収入に対して占めている割合です。返済比率は50%までが目安となります。

「売却価格(実勢価格) - 負債」がマイナスになっている場合は特に、物件の売却などによって状態を改善することが重要です。また、「資産(積算評価)- 負債」については、不動産投資を続ける過程でプラスになることを目指す必要があります。

最初に物件を買うべきエリアの特徴

既に解説した通り、都市部と郊外との比較であれば都市部の物件を選ぶのが賢明です。しかし、都心の一等地などは物件価格が高いため、利回りが低くなります。おすすめのエリアについて、東京と大阪の具体的な地名を挙げながら解説します。

都心から少し離れた人気エリアまたは市街地でも人気のあるエリア

最初に物件を買うべきエリアの特徴は、都心の真ん中ではなく都心から少し離れたエリアまたは、郊外の中でも人気があるエリアです。これらのエリアでは積算評価と家賃相場の両方を犠牲にしなくても良いため、5点バランスを整えやすくなります。

具体的には、例えば大阪でいうと難波まで電車で20分以内のエリアが該当します。都心エリアは入居者の人気が高く空室リスクは小さいものの、物件価格が高いため投資効率は悪くなります。

その一方で、電車で20分以上かかるエリアになると、通勤利便性や発展の度合いに加えて街のブランド性などの観点で見劣りするのも事実です。

東京でいうと、大田区の蒲田駅・足立区の北千住駅・JR中央線の立川駅・京王線の調布駅・小田急線の町田駅などが適正エリアに該当します。首都圏では、国道16号線の内側か外側かで評価を分けている金融機関が多いためです。

住宅地として人気でも賃貸に向かないエリアは避ける

例えば東京都内でいえば、杉並区や世田谷区などは積算評価が出やすく居住ニーズが強いエリアです。しかし、これらのエリアは住宅地が多く、例えば一棟アパートの投資をしようと考えると、どうしても敷地が狭くなります。

また、駅周辺では価格が高すぎるため投資が成立しないこともあります。その一方で駅周辺を避けようとすると、環状道路沿いなど環境を犠牲にせざるを得ません。

そのほか、都心の高級住宅街に立地するワンルームマンションなども、積算評価が高くブランド性は強いものの、入居者ターゲットが限定的になります。

加えて、高級住宅街で不動産投資をしているのは地主が大半です。単身者向けの物件よりもファミリー向けの分譲マンションが多くなるため、高級住宅街では物件を探す難易度が高くなります。

まとめ

年収1,000万円以上など資金にある程度の余裕がある場合は、不動産投資によって資産運用を進めるのがおすすめです。また、資金力がある場合は特に、低価格の物件にこだわる必要がないため、都市部の物件がおすすめと言えます。

なお、都市部の物件を買い進める上では、自分自身の状況を整理するとともに、資産と負債などのバランスを整えることが重要です。具体的な物件選びにおいては、都心から少し離れたエリアまたは市街地でも人気のあるエリアに絞り込むのが有効となります。


【関連リンク】その他の本はこちらからご確認ください。



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2021年8月30日発行

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監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。

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