マンション投資基礎知識

投資用不動産の売却に最適なタイミングを解説

日本の不動産は居住用・投資用を問わず築年数が経過すると価値が下がっていきます。不動産投資を考えている人の中には、できるだけ損失を出さずに物件の売却を成功させるためには、どのタイミングで売却すればいいのか悩む人もいるのではないでしょうか。

投資用不動産の売り時を判断する要素は複数ありますが、その一部は物件購入の時点で想定可能です。

投資用不動産の売り時を見極める方法と、確実に物件売却を成功させるための注意点などについて解説します。

投資用不動産の売り時を判断する基準

確実に投資用不動産を売却するためには、売却時期を見極めるためのポイントが複数あります。投資用不動産の売却時期を見極めるポイントと、売却を成功させるためのポイントについて解説します。

入居者が入っているタイミングで売却する

買い手から見ると、投資用不動産を購入後すぐに家賃収入が入ってくる方が望ましいです。このため、投資用不動産を売却するのであれば、入居者が入っている時に売却するほうが、買い手の興味をひきやすくなります。

反対に入居者が入っていない状況では、買い手から指値交渉が入る可能性が上がり、実際の売却価格が想定よりも下がってしまうこともあります。買い手から見ると、空室物件の売り手は早く売却したいのではと思われることも少なくありません。空室の物件は、物件保有を続けるほど売り手の赤字が累積していくためです。

指値交渉を避けて可能な限り高値で物件を売却するためには、入居者が入っている状態で売り出すことが重要になります。

大規模修繕工事の時期は避ける

投資用の区分マンションを売却するのであれば、大規模修繕工事の施工時期は避けるほうが無難です。マンションでは12年〜16年おきに大規模修繕工事が行われます。大規模修繕工事では、外壁タイル張り替えのため建物を囲うように足場が組まれます。

 

足場と落下物飛散防止用の幕が張られるため、大規模修繕工事中はマンションの外観を確認できません。外観を確認できないと、物件を売り出しても買い手がつきにくくなります。

 

また、工事中は住戸内にも様々な振動や騒音が発生します。大規模修繕工事の時期は入居者を募集するタイミングとしても不適格です。物件購入後に入居者を募集しても、空室期間が続く可能性もあることから、賃貸運用の面でも買い手がデメリットを感じやすくなります。

 

大規模修繕工事の施工時期は、マンションの管理組合が作成している長期修繕計画に記載されています。築10年前後の区分マンションを購入する場合は、あらかじめ長期修繕計画を確認の上、大規模修繕工事の時期を把握しておくことが重要です。

築25年を迎える前に売却する

区分マンションでは特に、築25年を経過すると共用エレベーターや給排水管など大規模な設備交換の時期に入ってきます。設備交換費用を支払うのはマンションの管理組合であり、各住戸の持ち主ではありません。

しかし、管理組合が工事費用を支払える余力を持っていない場合は、各住戸の所有者から修繕用の一時金を徴収するケースも多いものです。一時徴収金は数十万円単位になることもあり、賃貸運用を続ける上では大きな負担になります。

一時徴収金の支払いを避けるためには、設備交換の時期を迎える前に物件を売却することが必要です。

減価償却期間が終わった時

不動産投資では、購入した物件の減価償却費を「実際の支出を伴わない経費」として確定申告で経費計上できます。減価償却費は、不動産のうち建物部分に関してのみ、経年劣化による資産価値の減少分を税務上の支出として計上できる費用です。確定申告で減価償却費を計上すると所得税と住民税を節税できます。

しかし、減価償却費はあらかじめ決められた期間でしか計上できません。減価償却期間の計算式は以下の通りです。

(構造ごとの法定耐用年数 – 物件の築年数)+ 物件の築年数 × 0.2

計算結果の小数点以下は切り捨てます。なお、構造ごとの法定耐用年数については国税庁のホームページから確認可能です。例えばRC造の区分マンションは法定耐用年数が47年で、木造アパートであれば22年となっています。

※参照:国税庁
https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html

減価償却費を計上できなくなると、不動産投資の収益に課税される税金が上がります。減価償却期間が終わるタイミングも、投資用不動産を売却する時期としては適切です。

デットクロスのタイミングで売却する

不動産投資では、築年数の経過に伴って家賃の水準が下がっていきます。その一方で修繕の発生など支出の頻度は上がっていくため、長期間運用を続けるといずれ収支が赤字になるタイミングが到来します。デットクロスとは、築年数の経過によって収支が赤字になるタイミングのことです。

デットクロスの対策としては、リフォームによって家賃を引き上げることなども考えられますが、いずれも費用がかかるため必ずしも有効とは言えません。

最終的な収支を黒字にするためには、デットクロスのタイミングが来る前に物件を売却することが重要です。なお、デットクロスのタイミングについては、収支シミュレーションによって見極められます。

譲渡所得税の税率が下がるタイミングで売却する

居住用か投資用かに関わらず、不動産を売却すると発生した売却益に対して譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は物件の保有期間によって税率が異なり、税率を下げるためには5年以上の物件保有が必要です。

物件を購入した翌年の1月1日から起算して5年間が経過すると、譲渡所得税が39%から20%に下がります。20%の税率差は最終的な手残り額に対する影響が大きいため、可能な限り5年以上物件を保有してから売却するのが賢明です。

投資用不動産を売却する際の注意点

投資用不動産を売却する際の注意点

実際に投資用不動産を売却するときには、複数の不動産会社を比較することが重要です。また、物件を購入する時点で先に売却の想定をしておくと、早い段階から売却の準備を勧められます。

複数の不動産会社から査定を受ける

投資用物件についても、居住用物件と同様に不動産会社の査定を経てから売却活動をスタートします。物件の売却額を少しでも上げるためには、複数の不動産会社から査定を受けるのが有効です。

単独の不動産会社からしか査定を受けないと、査定額の妥当性を検証できません。複数の不動産会社から査定を受けることで、査定額とともに不動産会社も比較することが重要です。

査定の根拠は論理的と言えるかどうか、査定の対応は丁寧かなど、複数の視点から不動産会社を比較すると、物件の売却が成功する確率も上がります。

あらかじめ出口戦略を策定しておくのが重要

投資用不動産の売却時期については、物件購入時の収支シミュレーションによって、おおよその期間を特定可能です。デッドクロスの時期や譲渡所得税が下がる時期などを意識しておけば、物件の売却時期は自ずと判明します。

なお、あらかじめ物件売却時期を想定することを、出口戦略を策定するといいます。物件購入時に不動産会社へ相談するときには、出口戦略の策定についても相談することが重要です。

まとめ

投資用不動産の売り時を見極めるためには、運用収支・修繕の発生時期・税金などに着目したシミュレーションが必要になります。また、これらのシミュレーションは、物件を選ぶ時点で作成可能です。

なお、投資用不動産の売却を確実に成功させるためには、不動産会社の選定も重要な要素になります。複数の不動産会社から査定を受けることで、不動産会社を比較することが必要です。

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監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。

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