東京23区の新築マンションで利回り8%を超える! 『最強物件企画』の進め方
塩田 寿弘 (著)
2020年1月23日公開
マンション投資のリスクの一つに空室リスクがあります。入居者がいないということは家賃収入はゼロなので、ローンの返済、管理費、修繕積立金をすべて自己資金で賄うことになります。このマンション投資における最大のリスクをリノベーション物件に投資することで解決したのがREISM(リズム)株式会社です。
同社は、主に築古の中古ワンルーム物件をリノベーションすることによって付加価値を施して顧客に提案するというユニークな事業を展開しています。
投資効率を高めるために、極力リフォーム費用を抑えるのがマンション投資のセオリーではありますが、リノベーションでどのようにマンション投資を成功させるのでしょうか。そしてなぜリノベーション物件なら空室が埋まるのでしょうか。 本書「都心部の中古ワンルームを狙え!「リノベーション」式不動産投資の超バイブル」から、その理由を解き明かしています。
マンション投資を成功させるには、立地が大事だと言われます。実は、東京都23区でさえ、空室率は11.3%にもなります。住宅供給の過剰が明らかである以上、立地にこだわるだけではなく、明確な差別化を行って競争力を高める必要があります。
新築マンションであれば、新築プレミアムだけで賃料の差別化は可能です。ただ、デベロッパーの利益が物件価格に上乗せされているため、投資効率はよくありません。一方、中古マンションは、立地、駅からの距離、専有面積など市場の評価によって物件価格も賃料も決められるため、ちょっとしたリフォーム程度では差別化が容易ではありません。しかし、リノベーションで競争力を高めれば、賃貸市場で選ばれる物件へと変わります。
近年、自宅購入を検討される方の間では、中古物件を購入しスケルトンの状態から自分の好みにあった家に作り変えたいという需要は高く、リノベーションが一般化しつつあります。それは賃貸物件も例外ではありません。たとえば「賃貸リノベーション」という検索ワードの表示機会の推移を見ると、2007年より少しずつ増え始め、2013年に急激に上昇を見せています。
賃貸マンションのオーナーが安定した家賃収入を得るには、入居者に満足してもらい、ファンになってもらうことが重要です。それを実現するのが、入居者の価値観や好み、ライフスタイルを反映するためのリノベーションです。
同社のリノベーションブランドであるREISMは、中古マンションを味わいやぬくもりが感じられる内装デザインに一新します。オリジナルの内装には「Union」「i-cafe」などのブランドを冠したシリーズが数種類あります。
質感や本物感、手触り感を重視した耐久性の高いこだわりの素材を用いることで、良いものを長く使うことこそが豊かな生活と考えるターゲットの価値観にはまるだけでなく、住まいを楽しむイメージができるまで細部にこだわることで、他には真似できない味を作り出しています。
REISMのリノベーション費用は、たとえば1,500万円の物件に対し300万円ほどが目安になります。修繕を目的としたリフォームは1回30万ほどと考えると、かなり大きな投資になりますが、そのくらいまで手をかけることで始めて、入居者が感動する物件ができあがります。
高いリノベーション費用をかけるわけですから、当然それを上回るリターンがなくては投資としては意味がありません。リノベーションをするということは、同じ広さの一般的な物件よりも工事費分、家賃が高くなりますので、入居者をつけるためには、マーケティングリサーチや、中古リノベーションマンションに価値を感じるターゲットに訴求することが重要になります。
REISMのリサーチによると、都内の中でも「代官山」「信濃町」「白金高輪」などの人気エリアが中古リノベーション物件のエリアに適しています。これら人気エリアには、高額所得者向けのラグジュアリー物件も多いため、駅周辺の賃料のばらつきが大きくなります。そこでは賃料の幅に対する受容度が高く、多少割高な中古リノベーション物件でも受け入れられやすくなります。
従来、不動産業界では、投資家の利益と居住者の機能性のみが追及され、入居者の好みや価値観を満たすことによる満足は無視されてきました。今でも物件を探す際は、賃貸物件サイトや不動産屋で「○○駅から徒歩何分か、家賃はいくらか、何㎡か」という切り口で物件を探すしか手段はありません。すぐ引越しを控えたターゲットには、価格で不利なリノベーション物件はまず選ばれません。
ただ、単身者であっても「できれば住まいにこだわりたい」という層は確実に存在します。REISMでは、ゆくゆくは引越しをするであろう潜在層をターゲットにして、理想のマンションをシリーズ化して量産しPRすることで、消費者にまだ見ぬ理想の住まいを訴求して、「ここに住みたい」と欲求を喚起するきっかけを作っています。
そうして獲得した“ブランドに興味を持つターゲット”を会員組織化し、入居前の潜在顧客にメルマガで理想の住まいを想像させるあらゆる情報を継続的に提供します。3ヶ月で冷めてしまうと言われる「引越し熱」を出来るだけ長引かせ、継続的に啓蒙していくのです。
また入居者にも懇親会を開催し、リノベーションマンションでの暮らしぶりやインテリアのこだわりなどについて情報交換をする場を設け、広くネットワーク作りを促進しています。
これらは、入居前後の方が迷いなくREISMブランドを選べるよう誘導するための取り組みです。
REISMブランドのリノベーション物件は、その多くが入居者希望者による空室待ち状態だそうです。どこでもいいのでREISMの物件を紹介して欲しいという希望者も多く、場所よりも商品力が勝る、という不動産業界では見られない現象が起きています。
これは全て、賃料動向データの蓄積・分析によるエリア特性の把握、消費者の潜在ニーズに応える物件のシリーズ化、こだわり物件への入居意欲を喚起するブランドイメージの醸成と、入居後の満足向上の徹底など、同社マーケティング活動の成果であるといえます。
不動産投資家が、REISMのリノベーション物件を選ぶ理由は下記の三点にまとめられます。
賃貸物件のマーケットにおいて、入居希望者が行列を作るような競争力のある物件は客付けに困らないので、賃料の値下げに悩まされることがないことが最大のメリットと言えます。場合によっては賃料アップも期待できます。
クラシカルなシリーズのリノベーションを施した場合、5年、10年と古くなるほどに味がでて、魅力が増すというよさがあります。無垢材やレンガなど耐久性の高い素材が使われるのでメンテナンスコストも概ね低くなります。
一般的に、オーナーチェンジ物件は賃料から売却金額が算出されます。付加価値の高いリノベーションを施したことで賃料アップに成功すれば、売却益も狙える可能性さえ出てきます。(本書によると、リノベーションで施せる付加価値は賃料の10~15%)
まとめ
REISMが手がける「行列が出来る」リノベーション物件は、マンション投資家にとって見逃せない魅力が詰まっています。
たとえば賃料は下がるものなので、通常は利回りなどのシミュレーションは賃料が段階的に下がる前提で行います。しかし入居待ちがでるほどの人気物件なら、家賃下落や空室を考慮する必要はありません。また、耐久性の高い素材を採用していることから、入居者退去時に壁紙の張替えなどのリフォームを行う必要がなくなり、その点でも空室を考慮しなくてもよくなります。
しかし、あくまで投資なので、リノベーションを行った場合とそうでない場合のシミュレーションを見比べて、どちらが手残りが多いのかを判断することが肝要です。
REISM(リズム)株式会社 巻口成憲 (著)
2014年1月29日発行
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そのマンションの“市場価値”
過去の賃料や売買価格の推移はもちろん、近隣のマンションの相場や市場に影響を与えるような近隣のマンション建造計画などもチェックしてマンション価格を相対的に評価します。
そのマンションの“売却理由”
よほどに事情がない限り、高利回りで運用できている物件を手放そうと思う人はいません。高い利回りが売り文句になっている物件はなぜオーナーがそのような有料物件を手放そうとしているのかを調査します。
そのマンションの“維持管理”
マンションを長期的に維持する上で大切なのは、定期的な修繕です。建物の共用部を目視確認するためのチェックリストをお知らせします。また詳細の調査をご希望であれば、過去の修繕積立金の使用用途や現在の積立額、長期修繕計画資料を調査します。
※管理組合から調査報告書を取り寄せるには¥5,400かかります。
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