本に学ぶマンション投資

不動産投資 実録ウラ話 失敗パターンとリカバリー研究

不動産投資 実録ウラ話 失敗パターンとリカバリー研究

小嶌 大介 (著)

2018年9月21日発行

不動産投資の失敗を避ける上では、実際の失敗例を知ることはとても役に立ちます。しかし、リアルな失敗事例というのは、それほどたくさん語られているものではありません。

この記事では不動産投資の失敗にありがちな3つのパターンについて解説するとともに、実際の失敗例について、銀行名や借入金利なども記載の上ご紹介します。

不動産投資の失敗とは

まず、不動産投資における失敗について定義するとともに、失敗例に多い3つのパターンについて解説します。

多くの人が失敗する3つの原因

よく「素人が不動産投資に手を出しても失敗する」などと言われますが、不動産投資の失敗とはそもそもどのような状態のことを指すのでしょうか。不動産投資の失敗とは明確な定義があるわけではありません。

人によっては、空室がある程度続けば失敗と感じるでしょうし、ローン返済に行き詰まって自己破産することになったら失敗と考える人もいます。

しかし、失敗と言っても事の大小が違うため、一括りにすることは困難です。「不動産投資の失敗」とは「心が折れて不動産投資からの撤退を決意した時」と著者は定義しています。そして、多くの人が不動産投資に失敗する原因は大きく分けて3つあります。

1つ目は知識が不十分な「無知であること」。2つ目はとにかく物件が欲しくてたまらないという状態になり、目が曇ってしまった結果失敗する「欲しい欲しい病」にかかってしまうこと。3つ目は賃貸相場や市場相場が大きく変動するなど外的な要因を認識できなかったことです。

無知な人の失敗パターン

無知な人の失敗パターンとして多いのは、自分から動かず楽をしようとした結果、人任せになるものです。

後ろ向きな無知の人は「不動産投資ってよくわからないけど、怖いからやめておこう。」と考えます。その一方で、前向きな無知の人は「不動産投資ってよくわからないけど儲かりそうだし、自己資金がなくてもできるっていうから、とりあえずやってみよう」と考えます。

医師など高属性の人に多いのは「手取りは出ないけれど、積立貯金のつもりでやってみましょう。」という営業マンの言葉に乗せられた結果、失敗してしまうパターンです。

誰からの勧めで不動産投資の世界に触れるかは重要なポイントとなります。たまたま訪れた不動産投資セミナーで、買うべきでない物件を買ってしまうなどの失敗パターンは後を絶ちません。

物件を買うことが目的になってしまう

「欲しい欲しい病」にかかってしまうと、不動産投資によって収益を得ることではなく、収益物件を買うことが目的になってしまいます。このようなマインドの人は「買えるからこの物件を買う」という思考パターンに陥っています。

大きく分けると、ローンを使えるから買うというパターンのほか、高収益物件だからという理由で実際の収益性を検証せずに買ってしまうパターンがあります。ボロ戸建のリフォームをDIYで試みたものの、途中で投げ出してしまうという人も少なくありません。実際にボロ戸建を探してみると、床が半分だけ張り替えられている物件なども多くみられます。

外的要因の変化を見抜けない

このパターンに多いのは、大学生や工場勤務の人などを入居者として当て込んでいたところ、キャンパスや工場が移転してしまったというものです。入居者を特定の施設に依存していると、施設が移転してしまったときには空室を埋めるのが極めて困難になります。

そのほか、周辺の地主が相続対策のため新築アパートを大量に建てた結果、入居者獲得競争が激化して空室が埋まらなくなることもあります。不動産投資は入居者が入って初めて収益を生む資産運用なので、空室が長期化するとリカバリーする難易度が上がる点に要注意です。

マンション投資の失敗事例

本書には戸建投資・アパート投資・マンション投資など様々な投資の失敗事例が掲載されていますが、その中でもマンション投資の失敗事例をご紹介します。

セオリー通りの買い増しによって行き詰まった例

吉田さん(仮名)は愛知県に住む30代のサラリーマンです。2016年に岐阜県のボロ戸建を購入し、DIYでリフォームして実質利回り15.6%を達成しました。

しかし、当時大企業の子会社でかなりのハードワークを強いられていた吉田さんは、転職によって給料が下がった場合の保険として、投資規模を拡大して家賃収入を増やしたいと考えました。

最初の戸建投資で自己資金を使い切ってしまっていたため、吉田さんは「大企業の子会社勤務」という属性を活かして多額のローンを活用する「ハイレバレッジ投資」に踏み切ります。手元に自己資金がないという弱点をカバーするために、吉田さんは提携業者のローンを使える物件を購入することにしたのです。

吉田さんが購入したのは、愛知県内のターミナル駅から徒歩10分圏内に立地する木造の築浅アパートでした。好立地の物件ですが利回りは7.5%です。なお、購入にあたってオリックス銀行から金利2.5%の融資を受けています。

さらに、転職にギリギリ間に合せる形で、岐阜県の郊外に立地する重量鉄骨のマンションを2棟一括で購入しました。転職に間に合うようスピーディに物件を購入できたと、当初は喜んでいましたが、間もなく失敗に気づきます。

岐阜のマンションについては、インターネットの情報では周辺の人口が増えており、賃貸需要も旺盛になると見込んでいたものの、周辺には吉田さんが購入した物件と似たような物件が大量供給されていたのです。

物件を購入してから半年経っても16室中4室が空室続きとなったうえに、安易に年利4.5%という高金利のローンを利用してしまったため、キャッシュフローがほとんど出ませんでした。

1部屋の空室も許されない状況下で毎週末物件へ通い、DIYで鉄部塗装をしたり自販機を置いたり広告費を1ヶ月分から3ヶ月分へ増額するなど、吉田さんは考えられる手段をすべて実行に移して何とか空室を埋めることに成功したと言います。

しかし、満室になったところで吉田さんはあまり利益が出ていないことに気づきました。2億円弱の融資を受けて1年で3棟買い増したものの、キャッシュフローは年間で300万円しか入ってきません。

月単位に換算すると25万円ですが、購入した物件はいずれも中古物件なので、修繕に対する備えも必要です。入ってきたお金を自由に使ってしまうと、いずれキャッシュアウトしてしまいます。

その一方で、使える限界までローンを使ってしまったため、これ以上ローンによる規模拡大は望めません。そこで、まず250万円で売られていた三重県内の物件を交渉によって70万円で購入しました。

この物件については、ボロボロというほどではないものの、トイレが汲み取り式・建物が傾いているなどの難点があり、250万円は高いと感じたため交渉に踏み切ったと言います。さらに、最初に購入した岐阜県の戸建物件を450万円で売却しました。

その後は三重県の戸建を始めとして、木造戸建物件を割安で購入し、極力リフォームせずに高利回りの運用とすることを継続しています。

多くの人は最初の投資で失敗するものですが、吉田さんの場合は最初の投資で成功し、その後の投資で失敗しているめずらしいパターンと言えます。

吉田さんが一棟物件を購入したことで失敗した原因は、転職前に新たな物件を購入したいと焦ってしまったことにあると言えるでしょう。つまり「欲しい欲しい病にかかってしまった結果」と考えられます。

また、全額自己資金で賄う戸建投資とローンを利用する一棟マンションとでは、ルールが違うということも影響したと予測されます。

まとめ

失敗例に多い3つのパターンや、ご紹介した吉田さんの失敗例などを紐解くと、不動産投資に失敗しないため重要なポイントは、最低限の知識をつけることと不動産投資の目的を見失わないことに尽きると言えるでしょう。

吉田さんの失敗例は特に、日々の激務と転職前に属性を活かしてローンを利用したいという思いによって、物件を購入することが目的になってしまった結果と言えるものです。なお、不動産投資の失敗をリカバリーするためには、どの時点で失敗に気づくかも重要なポイントとなります。

弊社では「不動産投資のかけこみ寺」という失敗相談のサービスを展開しておりますので、もしご自身の運用が上手くいっていないと感じることがありましたら、ぜひ1度ご相談ください。


【関連リンク】その他の本はこちらからご確認ください。



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小嶌 大介 (著)

2018年9月21日発行

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監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。

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