本に学ぶマンション投資

新富裕層のための戦略的不動産投資

新富裕層のための戦略的不動産投資

杉山 浩一 (著)

2020年9月24日発行

不動産投資で成功するための秘訣は、収益性と資産性とを兼ね備えた物件に投資することです。著者はこの条件に当てはまる物件として、首都圏郊外の中古RC造マンションを挙げています。

首都圏郊外のRC造マンションが持つ優位性は、競合の少なさと長年変わらぬ賃料水準です。不動産投資における物件選びのポイントや、郊外のRC造マンションが持つ優位性の詳細などについて解説します。

新富裕層とは

本書では「会社や資産を承継した人ではなく、自ら起業して資産を築いたり、外資系企業でキャリアアップしたりして高収入を得ている人」のことを新富裕層と定義しています。

かぼちゃの馬車以降、不動産投資の融資に消極的な姿勢を示す金融機関が増えました。不動産投資においては「収入が高いまたはすでに資産を持っていること」が、融資を受ける条件となっています。

掘り出し物を狙わないことが重要

本書は不動産投資とは別に本業がある方向けに書かれたものです。また、2021年時点では、一般的な考え方として、不動産投資は「とにかく安定した収益を生み出すこと」に重点が置かれています。

新富裕層にとっては、金融機関から融資を引き出しやすい背景を持っている以上、ハイリスク・ハイリターンな物件を狙う必要はありません。また、低価格高収益な「掘り出し物」を購入するためには、常にアンテナを張っている不動産会社との競争が必要です。

いわば片手間で不動産投資をしている個人の投資家が、競争で不動産業者に勝つのは難しいと言えます。一攫千金を狙うのではなく、リスクの少ない安定路線を狙うのが現代の王道です。

購入前に物件を分析する

安定して収益を上げられる物件を選ぶためには、物件ごとの見極めが必要です。物件の見極めというと表面的な情報に注目が集まりがちですが、価格をしっかり分析することが判断に役立ちます。

物件価格は土地価格と建物価格とに分けられる

一般的に、地方の物件は価格が安いために表面利回りが高く見えます。しかし、周辺相場と比較して本当に低価格なのかは、分析しなければわかりません。

分析するためには、まず物件価格を土地価格と建物価格とに分けます。価格を分けるためには固定資産税評価額を用いるのが有効です。物件価格を按分したら、土地価格の妥当性を検証します。

国土交通省が運営する「土地総合情報システム」や、不動産流通機構が運営する「REINS Market Information」などのwebサイトを活用して、直近の取引事例を検索します。

検討している物件の土地価格が取引事例から割り出される周辺相場よりも高い場合は、高掴みの可能性があると判断するのが妥当です。

反対に、土地価格が周辺相場よりも極端に低い場合は、価格を周辺相場より下げないと買い手が現れないと読み取れます。この場合は、投資の出口で物件を売却しようとしても、なかなか売れない可能性があるということです。

建物の情報だけで物件を判断するのではなく、その土地には「資産」としての価値があるかどうか、分析することが物件選びの重要なポイントです。

狙うべきは「環八×国道16号」

著者が本書で推奨しているのは、首都圏郊外に建設された中古のRC造マンションです。郊外のRC造マンションが持つ優位性について解説します。

郊外×中古RCは賃貸需要が高い

本書で著者が推奨する「郊外」とは、首都圏の環状8号線と国道16号線との間に該当するエリアを指しています。このエリアの特徴は以下の2点です。

  • 都心へ1時間程度でアクセスできる
  • バブル期に多くのRC賃貸マンションが建設されている

上記2点の特徴は、ベッドタウンとして開発されたエリアが持つ強みであり、実際に当該エリアには人口が集中しています。総務省統計局の調査によると、首都圏では2020年をピークに人口が減少していますが、世帯数は2030年まで増加する見通しです。
今後賃貸マンションにどのような人が住むかを考慮すると、外国人労働者・留学生・アクティブシニアなどが増えてくると予測されます。

例えば外国人労働者には都心で働く人が多いものの、都心に住めるほどの所得を得られるとは限りません。必然的に、住居としては郊外のマンションも選択肢の1つになります。

外国人入居者にチャンスがある

外国人労働者・留学生の入居について触れましたが、以下の理由から、外国人の入居を敬遠する不動産オーナーも少なくありません。

  • ゴミ捨てのルールを守らない
  • 騒音トラブルを起こしがち
  • 友人など多数の人が出入りする

その一方で、外国人向けに行われた「家を探すときの困りごと」に関するアンケートでは、以下の項目が上位を占めています。

  • 手続きが煩雑
  • 費用が高い
  • 日本語以外の言語が通じない

発想を転換すると、手続きの簡略化・初期費用の値下げ・多言語対応などの対策を講じれば、入居者獲得の競争率を下げられます。また、ゴミ捨てや騒音などのトラブルに関しては、オーナー側の説明不足に起因していることも少なくありません。

このため、入居者の母国語で誓約書を作成するなどの対策をとれば「日本語だから読めない・わからない」といった言い逃れも予防できます。

郊外では賃料水準がほとんど変わっていない

総務省が発表している消費者物価指数を見ると、家賃指数は1995年以降横ばいです。また、著者が運用している物件では、1989年に入居した人と直近で入居した人とで、家賃の差は1割程度にとどまっています。長期間にわたって家賃水準が変わらないのは、世帯収入が長期間変わっていないからです。

また、コロナの流行によってリモートワークが広がっていくと、駅近の物件が好まれる傾向は変化していくと考えられます。都心よりも家賃が低い郊外の物件は、ニーズが高まっていくと予測されます。

ライバルとなる新築物件が少ない

例えば2000年前後の時期と比較すると、2021年時点では建築費が高騰しているほか、建築関連の人材が減っています。これらの背景から、郊外でRC造の物件を建てられるのは、数百個規模の物件でスケールメリットを享受できる財閥系デベロッパーくらいです。

仮にライバルとなる物件が建ったとしても、中古マンションと比較すると原価が高いため、価格的に競合となる可能性が低いと考えられます。

築古物件は収益が残らない?

郊外に建つ築古マンションというと、すでにボロボロで賃貸に出せないのではと思う人もいるかもしれません。RC造の住居については、法定耐用年数が47年と定められています。

しかし、適切にメンテナンスされていれば、RC造住宅は50年〜100年以上もつとする調査・論文は少なくありません。

また、築古物件は修繕費などの経費が大きいために、収益を出しにくいという考え方も一般的です。しかし、築古物件の運用で収益が残らない原因は融資条件にあります。法定耐用年数の残存年数が短いと、返済期間が短くなるため、毎月の返済額が膨らむことが主な原因です。

新富裕層は融資を受けやすいと解説しましたが、物件の収益性よりも申込者の属性を重視する金融機関であれば、築古物件でもキャッシュフローを残せます。

ただし、高属性の人であっても、不動産投資の収益を生活費に充当しないことが重要です。収入が高くても、不動産投資の収益を生活費に充当すると、金融機関から生活に余裕がない人だと判断されます。

まとめ

著者が本書で紹介しているのは、地味なイメージを持つ物件へ投資することで着実に利益を拡大していく方法です。この方法は、できる限り競争相手を減らすという考え方に基づいており、安定性に重きが置かれています。

不動産投資で長期安定的な収益を上げていきたい人は、特にエリア選定の考え方などを参考にしてみてください。


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