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儲からない不動産賃貸経営 こうすれば手残りキャッシュを生み出せる

儲からない不動産賃貸経営 こうすれば手残りキャッシュを生み出せる

磯田 達也 (著)

2019年6月6日発行

アパート経営を始めてはみたものの、いまひとつ稼働が安定せず収益が上がらないと悩む人は多いのではないでしょうか。アパート経営を安定させるためには、収入の向上と支出の削減が必要です。

しかし、一言で収支の改善といっても、具体的な方法論はあまり語られていないのが実態です。実際に何をすればよいのかわからないという人も多いでしょう。

この記事では、アパート経営の収支が安定しない原因について分析するとともに、支出削減及び収入の安定化に有効な方法を解説します。

アパート経営が儲からない理由

アパート経営の利益が上がらない原因について、入居者募集と家賃設定の側面から解説します。収入を安定または上げるためには、稼働率を安定させて家賃を上げる必要があるためです。

入居者を入れるために家賃を下げている

入居者の獲得に苦戦すると、客付け業者や管理会社から家賃の減額を提案される物件オーナーも多いのではないでしょうか。しかし、家賃の値下げは、考えられる他の手段を全て用いてもなお入居者が入らない場合の最終手段と考えるのが適当です。

理由は2つあります。1つ目は家賃収入の低下による収益の減少です。2つ目は入居者の質が悪くなることで、入居者トラブルが起こる可能性があることです。

もしも不動産会社から家賃の減額を打診された場合は、担当者に以下の内容をヒアリングすることが必要になります。

  • 入居者募集の条件を見直したいのか?
  • 仲介手数料または広告料を増やしたいのか?
  • 取引件数を増やしたいのか?

担当者の希望がどこにあるかを把握したうえで、家賃の減額以外にオーナーとして提供できるものが何かないか考えることが肝要です。

なお、どんな背景があるにせよ、開口一番に家賃の減額を提案してくるような管理会社は変更するのがおすすめと言えます。そのような管理会社が行っているのは、オーナー本位の管理業務ではなく自社都合を最優先する「代行型管理」に過ぎないためです。

インターネット無料物件を謳っている

賃貸マンションや賃貸アパートの入居者募集において、インターネット接続無料サービスを謳っている物件は少なくありません。実際に、無料で使い放題のインターネットには入居者のニーズがあったことも事実です。

しかし、2022年時点ではそれほどニーズのあるサービスではありません。インターネットは既に生活インフラとして定着しており、「無料または格安で当然」という意識が広がっているため、無料で使い放題のインターネットはそれほど訴求効果を見込めないと言えます。

また、集合住宅に一括して引き込まれている回線は、その大半が通信速度及び通信容量の面で劣っており、セキュリティ対策も万全ではありません。そのほか、無料で使い放題の回線を引いている場合は、入居者が独自に回線を引けない縛りがついていることも多いものです。

これらの背景から無料で使い放題のインターネットに魅力を感じる人は減っているのが実態であると言えます。

賃貸経営のコストを削減するポイント

アパート経営の利益を上げるためには、収入の安定化及び増加を図るとともに、コストを削減することも必要です。ここからは、賃貸経営を削減するために意識すべきポイントを解説します。

ランニングコストを把握する

アパート経営のメリットとして、長期安定的な家賃収入が挙げられることは多いものです。しかし、その一方で、アパート経営を続ける上ではランニングコストも発生します。

収支の安定化及び向上を図るためには、収入とともに支出を把握することも必要です。ランニングコストは特に長期的な収支に与える影響が大きいため、項目と金額を正確に把握することが重要になります。例えば以下のようなものがアパート経営のランニングコストとして代表的です。

  • 賃貸管理費
  • 水道光熱費
  • 消防設備の点検費用
  • 固定資産税
  • 広告宣伝費
  • 町内会費

固定資産税などオーナー側で削減することが難しいものもあります。しかし、例えば賃貸管理費や水道光熱費などについては、オーナー側で対処が可能です。

管理会社のサービスと管理費とのバランスを考えることで、場合によっては管理会社を変更するのも1つの方法と言えます。そのほか、水道光熱費についても近年ではまとめて契約することで割引になることがあるので、情報収集するのが有効です。

入居者のニーズを客付け業者にヒアリングする

競合物件との競争に勝って満室経営を維持するためには、物件独自のアピールポイントを打ち出すことも重要です。物件独自のアピールポイントを作るための対策としては、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 物件の目玉となるような室内設備や仕様を整備する
  • 入居者目線に立って共用部を整備する
  • 外壁の塗り替えなど建物の外観に関する個性付けをする

しかし、入居者獲得をゴールとするのであれば、具体的な対策をするよりも先に入居者のニーズを把握することが重要です。

入居者ニーズの把握においては、LIFULL HOME’SやSUUMOといった不動産賃貸のポータルサイトを見ることも有効です。しかし、それと同時に足を使って物件周辺の情報を収集することも重要になります。

足を使った情報収集とは、物件近くの客付け業者に対して入居者がどんなものを求めているのかヒアリングすることです。入居者が部屋を探す際には必ず不動産屋のサービスを利用することになるので、客付け業者が最も入居者のニーズを知っていると考えられます。

ニーズに沿ったリフォームやサービスを提供すれば、無駄な工事や付加価値にかかる費用を削減可能です。

安定稼働を実現するためのポイント

物件独自のアピールポイントを設定できれば、周辺相場より強気な家賃を設定することもできます。また、アパート経営の収益を上げるために重要なポイントは、各戸の稼働状況を安定化することです。ここからは、安定稼働を実現するためのユニークなアイデアについてご紹介します。

3月・9月の3ヶ月前に退去の意向を確認する

アパート経営において入居者の動きが大きい「繁忙期」は毎年3月と9月です。この時期は物件の需要と供給が最も多くなる時期であり、入居者争奪の競争も激しくなります。このため、空室期間を短縮して安定稼働を目指すのであれば、できる限り余裕のあるスケジュールに基づいて事前に準備しておくことが必要です。

入居者とオーナーとが取り交わしする賃貸借契約書では、大半の場合は1ヶ月前に更新の有無を通知することとなっています。しかし、繁忙期を目前にして1ヶ月では余裕を持ったスケジュールを組むことは困難です。

このため、繁忙期となる3月・9月の3ヶ月前には退去の意向を確認できると、余裕を持って入居者募集の戦略を立てられます。

既存契約が1ヶ月前通知になっているのであれば、先に入居者に連絡して意向を確認するのも良いでしょう。あるいは、賃貸借契約を締結する時点で3ヶ月前通知の項目を入れてしまうのも有効です。

戦略性のある賃貸メニューを考える

アパート経営において入居者を募集する際には、入居希望者と初期費用もしくは家賃の値下げ交渉が発生する場合もあります。値下げ交渉に応じるということは、収益を下げることにもつながりますが、その一方で入居確度が高いとも言えるでしょう。

なお、交渉のテーブルに着いた際に、その場の感情に流されて初期費用と家賃の双方を値下げしてしまうケースがあります。このような事態は可能な限り避けるべきです。

入居希望者との交渉においては、先に初期費用は安めで家賃は通常通り、もしくは家賃は少し値下げするので初期費用は通常通りという2つのメニューから選んでもらうのが良いでしょう。

そのほか、契約更新ごとに数千円ずつ家賃を下げていくという契約を結ぶ方法もあります。住み続けるほど「家賃が下がっていく」というのは、入居者にとってお得感が強いものです。また、あまり見かけないサービスでもあるので、訴求力の強い賃貸メニューと言えます。

ただし、家賃逓減を提案する場合には、もともとの家賃を相場に対して強気に設定しておくことが重要です。相場通りの家賃から逓減させてしまうと、長期的に収益を減らすことにつながってしまいます。

まとめ

アパート経営を安定させるためには、賃貸経営を事業と捉えて収支を整理するとともに、入居者のニーズを捉えた商品作りが必要です。特に入居者のニーズを把握することは、物件独自の強みを構築することにつながるため、競合物件との入居者獲得競争を勝ち抜く上で重要になります。


【関連リンク】その他の本はこちらからご確認ください。



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磯田 達也 (著)

2019年6月6日発行

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監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。

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