不動産投資の節税はどんな方法が有効?節税について学べる5冊
不動産投資による節税は近年流行している手法ではなく、古くから多くの投資家が実践している資…
2022年5月8日更新
これまでの時代ではマイホームというと「終の棲家」であり、自宅を購入したら生涯同じ家に住み続けるのが一般的な考え方でした。しかし、時代の変化とともにこの考え方も変わりつつあります。
マイホームを「夢」と考えるのか「生計を立てるための武器」と考えるのかによって、適切な買い方や使い方は大きく異なります。なお、マイホームを「夢」と考える人は、相対的な年収が低い上に郊外に住む傾向が強く、その一方で「武器」と考える人は高年収で都心に住んでいることが多いものです。
考え方や働き方が違えば価値観や決断の基準も異なりますが、マイホームの購入に関しては、考え方や決断の基準によって財産形成の効率が大きく変わってしまいます。
この記事では、資産価値のある家を買うことで経済的な苦労をしない方法について解説します。
家は非常に高い買い物である以上、資産形成という観点で見ると、効率的な資産形成を進めるためには資産価値の高い家を購入することが必要です。「資産価値が高い」とは具体的にどういうことなのか解説します。
マイホームというと多くの人が「自分が住むための家」を想像するのではないでしょうか。しかし、マイホームは以下3つの価値を持っています。
自分で住むことによって得られる価値とは、言いかえれば「快適性」であり、快適性の基準は人によって様々です。どんな家にも共通して言える価値という点では、他人に貸すことで得られる「収益性」と、他人に売ることで得られる「換金性」が重要になります。
マイホームを選ぶ上では、快適性・収益性・換金性のどれを優先するのか、最初に決めることが必要です。どれか1つしか得られないというわけではなく、例えば収益性と換金性の2つを優先して家を選ぶこともできます。
現代の日本では、少子高齢化が進んでいる影響もあり、繁栄している街とそうでない街との差が明確になっています。収益性や換金性という観点で考えると、繁栄している街でマイホームを購入するのが重要です。街を選ぶ上で着目すべきポイントについて解説します。
「資産価値が高い家」というと、「地価が高い街に建っている家」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、資産価値と地価とは必ずしもイコールではなく、資産価値を維持できる街を選ぶためには、最初に賃貸マーケットを分析することが重要です。
賃貸マーケットを分析すると、都心部と郊外とでは多様性に関する明確な違いが見えてきます。地方都市や東京の郊外では、単身者を入居者ターゲットとした物件が多く、ファミリー向けの物件は公営賃貸住宅として供給されることが多くなります。
また、賃貸マンションやアパートなど、当初から賃貸することを目的として建設された物件には、設定家賃や間取りなどの多様性がほとんどありません。
その一方で、例えば東京都心部では、ホテル並みのサービスを利用できる超高級物件がある一方で、いまだに木造の安アパートも大量に残っています。間取り・面積・賃料も様々で、多様なマーケットが形成されているのが実態です。
不動産のマーケットでは、賃貸マーケットが活発なエリアであれば、築古に分類されるような物件であってもそれなりの価格で売却できます。賃貸マーケットが活発なエリアでは、物件の資産価値も結果的に高くなるものです。
投資用の物件を選ぶ上では、人口が増加しているエリアの中で物件を探すことが重要です。そして、人口の増加には「自然増」と「社会増」という2つの種類があります。賃料相場が上昇していくのは高所得層の社会増が顕著なエリアです。
経済力に乏しい人口が増えたとしても、そのエリアでは消費などの経済活動が活発にならないため、エリア全体の活性化は望めません。結果的に物件の資産価値も上がらないことになります。賃料相場が上昇しているエリアでは、物件の資産価値も上昇していく傾向が強いものです。
賃貸の家に住む人の傾向として、単身者は街にあまり多くのものを求めていません。極端な表現をすると、通勤利便性さえ高ければ、生活利便施設がコンビニしかないとしても単身者は生活にそれほど困らないからです。
しかし、子どもを預けるための保育施設や病院など、ファミリー層が街に求めるものは多くなります。さらに、高所得層のファミリーとなると、量的なものだけではなく質的にも満たされることを求めます。
高所得層は通勤利便性・育児・教育など様々な分野に量と質とを求めており、これは家を購入する場合でも借りる場合でも変わりありません。
このため、単身者に人気があってもファミリーには人気がないというエリアは数多く存在します。反対に、ファミリー層に人気があれば、一定数の単身者も住んでいるという傾向は強いものです。
この傾向を考慮すると、ファミリータイプの物件に関する賃料を分析すれば、エリアごとの正確な比較が可能になると言えます。
既に解説した通り、不動産の資産価値が上昇しやすいのは高所得層が流入しているエリアです。高所得層が好むのは具体的にどのようなエリアなのか解説します。
資産価値が高いエリアとは、「高所得層が勤務するエリアへの近さ」と「教育環境の良さ」を両立しているエリアです。
家賃を払って賃貸住宅に住んでいても手元に資産は残らないという考え方もある一方で、高い家賃を払って都心の賃貸住宅に住む高所得層のファミリーは少なくありません。
高所得層のファミリーが都心の賃貸住宅に住むのは、年収が高い上に会社から家賃補助を受け取っているからです。例えば子育て中のファミリー層が家を選ぶ基準は、職場と子どもが通う学校のいずれかであるケースが大半となっています。高所得層はお金に余裕があるために、会社から近い上に教育水準が高い都心部を選びます。
また、高所得層は通勤に電車ではなく車を使うことが多いものです。このため、高所得層が集まるエリアを見極めるためには、駅からの距離があまり当てにならないこともあります。
ここまではエリアの選び方について解説してきましたが、選ぶべき物件の具体的な内容について言及すると、賃貸もしくは売却の汎用性が最も高いのは、寝室が2部屋ある間取りの物件です。
寝室が2部屋ある物件は、単身者にも4人のファミリーにも需要があります。単身者であれば1部屋を収納部屋として活用できる上に、ファミリーであれば親子で寝室を分けることが可能です。
なお、ここまで解説してきたような「高所得層のファミリーが好む物件」には高価なものも多いため、例えば東京の一等地ではなく東京近郊の中古物件を狙うのも1つの戦略と言えます。
あくまでも街としての資産価値が高いエリアであれば、必ずしも東京の一等地である必要はありません。
まとめ
マイホームや投資用物件を選ぶ尺度として、「人口が増加しているか」という観点が用いられることは多いものです。しかし、ただ人口が増えているだけでは街の資産価値は上がらないため、高所得層が経済を回している街を選ぶことが重要になります。
高所得層が好む街とは、主に職場への距離が近くて教育水準が高い街です。そのようなエリアでは高くて物件を買えないという場合は、都心近郊の中古物件を狙うのも有効です。
【関連リンク】その他の本はこちらからご確認ください。
山崎 隆 (著)
2008年9月12日発行
人物
氏名
小川 進一
保有資格
・(公認)不動産コンサルティングマスター
・相続対策専門士
・不動産エバリュエーション専門士
・宅地建物取引士
・賃貸不動産経営管理士
・定期借地借家プランナー
プロフィール
不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
自身も都内に複数所有している実践大家。