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賃貸住宅管理適正化法とは?6月から施行される管理業者向けの法律を解説

賃貸住宅管理適正化法とは国土交通省が6月15日から施行した賃貸管理業者向けの法律で、管理業務の委託が増加したことによるトラブル防止を目的とした制度となります。 兼業オーナーの増加などにより賃貸管理会社へ管理を委託する方は年々増えていますが、サブリース契約や悪質な業者とのトラブルなども増加の一途をたどっています。 

賃貸住宅管理適正化法は賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設や、サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置(サブリース新法)によって賃貸業者とのトラブルからオーナーや入居者を守る役割を担っています。 

この記事では賃貸住宅管理適正化法の概要や目的、施行による変化などを解説していきます。 

賃貸住宅管理適正化法とは?施行の目的や背景などを解説

賃貸住宅管理適正化法とは主にサブリース業者とのトラブルや、賃貸管理会社とオーナー・入居者とのトラブルを防ぎ、円滑に賃貸管理を行うための制度です。 主にサブリース契約に関する「サブリース新法」と呼ばれる制度と、賃貸管理業者向けの登録制度の2つがあり、サブリース新法は既に施行されています。 

一体どのような法律なのでしょうか? 

この項では賃貸住宅管理適正化法の目的や背景、概要などをお伝えしていきます。 

賃貸住宅管理適正化法の目的や背景

単身世帯の増加に伴い、賃貸住宅は生活基盤として重要度を増しています。 

国土交通省が行った2018年の「住宅・土地統計調査」によると、総住宅数のうち人が住んでいる住宅は5366万戸ですが、内2334万戸(43.5%)がマンションやアパートなどの共同住宅となっています。 共同住宅の住宅数は、1988年に1141万戸と1000万戸を突破した後にも増加を続け2018年までの30年間で2倍以上増加しています。 

共同住宅には賃貸住宅と分譲住宅がありますが、単身世帯では賃貸を選ぶ方が多く、今後の少子高齢化が進む中でますます賃貸住宅の需要は高まると予測されています。 一方で賃貸住宅のオーナーが高齢化、サラリーマンの副業として賃貸経営を行う方が増えたことから管理を委託するケースが増加しています。 

委託件数の増加に伴い、管理業務について管理業者とオーナー又は入居者とのトラブルも急増しています。 特にサブリース業者に関するトラブルが多発し、金融庁と消費者庁では2018年に契約後のトラブルに関する注意喚起文を掲載しています。 

サブリースとは、オーナーが購入した賃貸物件をサブリース業者が借り上げ、入居者に貸し出す「転貸」で家賃収入を得る仕組みです。業者は家賃収入のうち一定額を受け取り、オーナーは家賃保証として保証された賃料をサブリース業者から受け取る事ができます。 

オーナーは入居者の有無に関わらず保証賃料を貰えるため、不動産投資の「空室リスク」を回避できる制度として知られています。 ただし、サブリース業者が最初は「賃料は下がらない」と言っていたにも関わらず、賃料が減額される、契約期間中でも契約が解約される、融資審査の際に不正を行われたなどの事例がありオーナーと業者の間でトラブルが多発しています。 

加えて管理業務も多様なニーズに対して高度化したことから、賃貸管理業者とオーナーとのトラブルも増加傾向にあります。 サブリース業者とオーナーのトラブル、管理会社とオーナー・入居者のトラブルを防ぐために賃貸住宅管理適正化法が制定されることになりました。 

賃貸住宅管理適正化法案の概要

賃貸住宅管理適正化法の法律案は、主に①サブリース業者との契約の適正化と②賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設の2点となります。

①サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置 

サブリース業者に対して、不当な行為の禁止と重要事項の説明を義務化しました。 

  • 勧誘時における、故意に事実を告げず、又は不実を告げる等の不当な行為の禁止 
  • サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の締結前の重要事項説明等を義務づけ 

②賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設 

賃貸住宅管理業を営もうとする者について、国土交通大臣の登録を義務づけ 

※管理戸数が200戸未満の者は任意登録となります。 

登録を受けた賃貸住宅管理業者における下記の業務の義務付け 

 

  • 業務管理者の選任 

事務所毎に、賃貸住宅管理の知識・経験等を有する者を配置 

  • 管理受託契約締結前の重要事項の説明 

具体的な管理業務の内容・実施方法等について書面を交付して説明 

  • 財産の分別管理 

管理する家賃等について、自己の固有の財産等と分別して管理 

  • 委託者への定期報告 

業務の実施状況等について、管理受託契約の相手方に対して定期的に報告 

 

施行日は以下の通りになっています。 

  • サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置(サブリース新法) 

2020年12月15日 

  • 賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設 

2021年6月15日 

サブリース新法は既に施行されており、賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設は6月15日に施行されました。

賃貸住宅管理適正化法の施行で何が変わる?

賃貸住宅管理適正化法の施行で、賃貸管理業界やオーナーにとってどのような影響があるのでしょうか? 

国土交通省が発表した資料によると、賃貸住宅管理適正化法の目的は、「賃貸住宅における良好な居住環境の確保を図るとともに、悪質な業者を排除し、業界の健全な発展・育成を図ること」です。 

法律が施行されることで、オーナーが複雑化する賃貸管理業務をスムーズに遂行できる業者と契約し、入居者が居心地の良い住環境で暮らせることを命題としています。 違反行為を行った場合、業務改善命令の対象となり、場合によっては業務停止処分の命令が下る事になります。 

賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設は、2021年6月15日に施行となり、登録制度が開始されましたが、管理戸数が200戸未満の業者は任意登録となります。 

よって複数の賃貸住宅を管理する企業や大企業は登録が必須となりますが、地方都市や小規模の業者は登録を行わない可能性があります。 ただし「オーナーや入居者のために賃貸管理を適正化する」という目的の法律が施行されたことは賃貸管理業界にとって大きな変化であり、今後の動向が注目されています。 

賃貸住宅管理業者登録の拒否

賃貸住宅管理業者として登録されるためには、一定の要件を満たす必要があり以下の場合には国土交通省から登録が拒否されます。 

① 心身の故障により業務を的確に遂行することができない者であること 

② 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者であること 

③ 登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者であること(登録を取り消された者が法人である場合にあっては、当該取消しの日前30日以内に法人の役員であった者で当該取消しの日から5年を経過しないものを含む。) 

④ 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者であること 

⑤ 暴力団員等であること 

⑥ 業務に関し不正な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者であること 

⑦ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当すること 

⑧ 法人であって、その役員のうちに①~⑥までのいずれかに該当する者がいること 

⑨ 暴力団員等がその事業活動を支配していること 

⑩ 財産的基礎を有しないこと 

⑪ 資格者を営業所等に配置しないこと 

 

反社会的勢力に関わる者や不正行為を行う業者は登録を拒否され、賃貸住宅管理業を営 むことができなくなります。 上記の拒否項目からも、「オーナーと入居者を守る」という法律の目的が見えてきます。 

まとめ

賃貸住宅管理適正化法の施行によって、不正なサブリース契約や悪質な業者が淘汰され、オーナー・入居者が安心できる環境づくりが推進されています。 

オーナーにとっては「登録された業者とのみ取引を行う」という選択肢も加わり、賃貸住宅管理業者登録制度は賃貸管理業者を選ぶ基準にもなるでしょう。 

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