マンション投資基礎知識

不動産投資ローンの審査を通過する方法は?住宅ローンとの違いも解説

不動産投資の効率を高めるためには、ローンを利用してできる限り自己資金を抑制することが重要です。しかし、そもそも不動産投資ローンと住宅ローンとは何が違うのか、どうすれば審査に通過できるのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

不動産投資ローンと住宅ローンとは、資金使途の違いから区別されており、審査のポイントも異なります。なお、不動産投資ローンの審査を通過するためには、物件の見極めも重要です。

不動産投資ローンと住宅ローンとの違いや審査項目に加え、審査通過のための対策について解説します。

不動産投資ローンと住宅ローンは何が違う?

不動産投資ローンと住宅ローンはどちらも住宅を買うためのローンですが、資金の使い道が違うために、審査のポイントや貸付条件などが異なります。

資金の利用目的が違う

住宅ローンは自らの居住目的で家を購入する場合に利用するローンです。その一方で、不動産投資ローンは、投資目的で住宅を賃貸運用するために利用します。

不動産投資は、利益の獲得を目的として行うもので事業性を持っているため、失敗する可能性も否定できません。不動産投資のローンは発生した収益から返済することが大半なので、投資に失敗すると返済が滞る可能性もあります。

しかし、住宅ローンは給与収入などが返済原資になるので、返済不能に陥る可能性が不動産投資ローンよりも低いと金融機関は考えます。このため、不動産投資ローンの審査は住宅ローンの審査よりも厳格です。

貸付条件が異なる

金融機関から見ると、不動産投資ローンは、住宅ローンよりも貸付金を回収できなくなるリスクが高いものです。このため、不動産投資ローンは金利や返済期間などの貸付条件が厳しくなります。

低金利政策が続いている2021年時点では、住宅ローンの金利は変動金利で1%を下回ることもめずらしくありません。しかし、不動産投資ローンの金利は1%以上になることが多いものです。

また、住宅ローンの場合はフラット35などの融資商品もあり、30年以上の返済期間も少なくありません。不動産投資ローンでも30年以上の返済期間を取ることは不可能ではないものの、審査結果次第では短縮されることもあるので要注意です。

不動産投資ローンの審査は何を見られている?

不動産投資ローンの審査では、大きく分けて2つのポイントが見られています。申込者に関するポイントと購入物件に関するポイントです。

申込者の属性

勤務先や収入など、申込者に関するポイントを総称して「属性」と言います。不動産投資ローンの審査で見られる属性について解説します。

勤務先と勤続年数について

1つめのポイントとなるのは、申込者の勤務先と勤続年数についてです。勤務先については、業種・会社規模・雇用形態などを確認されます。例えば、上場企業など大規模な会社に勤務している場合は審査で有利です。

そのほか、弁護士など士業と呼ばれる職業や、公務員の仕事についている場合なども高評価を得られます。雇用形態については、例えば派遣社員よりは正社員の方が有利です。

なお、勤続年数についても、転職を繰り返しているよりは同一企業に長期間勤務している方が、金融機関の印象は良くなります。転職を繰り返していると、短期間で転職した場合に、収入が下がる危険もあると見られるためです。

収入と保有資産の評価額

投資運用がうまくいかない場合は、別の収入を原資として返済することになるため、申込者の収入も審査で重視されるポイントです。なお、給与以外にも収入を得ている場合には、収入の総額を見られます。

また、同じく投資がうまくいかない場合のリスクを推し量るため、申込者が保有している資産の評価額も審査対象です。保有資産の評価額と購入物件の評価額を足した合計額が、借入額を上回っている場合は、審査に通過できる可能性が上がります。

申込者の年齢と健康状態

サラリーマンの場合は特に、定年を迎えると収入が大幅に減ってしまうため、年齢は若い方が審査に有利です。なお、年齢に関しては申込時の年齢と完済時の年齢との2つが考慮されます。

金融機関から見ると、定年による収入の減少は貸し倒れリスクですが、申込者が病気によって働けなくなることも同じくリスクです。このため、申込者の健康状態も審査の対象になります。

なお、不動産投資ローンも、住宅ローンと同様に団体信用生命保険への加入を求められることがあります。健康状態は保険の加入可否にも関わるため重要なポイントです。

購入物件について

不動産投資ローンで審査対象となる物件のポイントは、投資の利益を生み出す収益性と担保財産としての評価額です。

購入物件の収益性

すでに解説した通り、不動産投資ローンの返済には投資運用による収益を原資とします。このため、購入物件から得られる収益の多さもローン審査のポイントです。想定される必要経費を家賃収入から差し引いた後の金額が、月々の返済額を下回らないか、金融機関が独自の基準を用いて確認します。

不動産投資においては、常に満室を維持できるとは限りません。このため、金融機関は運用経費と別に一定以上の空室期間を想定し、それでも返済に無理がないか検証します。

借入額が多すぎたり収益性が低すぎたりすると、空室を想定した時に資金ショートを起こします。このため、不動産投資ローンの審査に通過するためには、借入額を無理のない範囲に抑制し、ある程度収益性の高い物件を選ぶことも必要です。

購入物件の評価額

万一債務者が返済不能状態に陥った時は、金融機関は担保物権を売却することで債務の回収を図ります。このため、購入物件を担保に入れる場合は、購入物件の評価額も審査の対象になります。

例えば都心に立地している物件や、駅近など好立地の物件などは評価額も上がるため、不動産投資ローンの審査では有利です。可能な限り価値の下がらない物件を見極めることも、審査を通過するためには、重要なポイントになります。

不動産投資ローンの審査通過に有効な対策は?

不動産投資ローンの審査で見られるポイントは、勤続年数や収入など簡単に変えられないポイントも多いものです。属性の改善以外でローン審査通過のために有効な方法を解説します。

可能な限り自己資金を用意する

不動産投資ローンの審査を通過するために有効な方法の1つ目は、可能な限り自己資金を用意して借入額を圧縮することです。借入額が減れば毎月の支払い金利も減るため、返済の負担が軽くなります。

また、借入額が少ないほど、万一競売などで担保物権を処分した時に、金融機関が債務を回収しきれる可能性が上がります。

時勢によって変化しますが、2021年時点では、物件価格の20%〜30%程度自己資金を投下するよう金融機関から求められることも多いものです。不動産投資を実現するためには、金融機関からの要請も見越して自己資金を用意することが重要になります。

収益性の高い物件を選ぶ

不動産投資ローンの審査通過に向けて有効な対策の2つ目は、できる限り収益性の高い物件を選ぶことです。収益性の高い物件を選ぶとは、利回りの高い物件を選ぶとも言い換えられます。

ただし、利回りにこだわりすぎて、運用難易度の高い物件を選ばないように注意が必要です。利回りの計算上、価格が安い物件は高利回りになります。また、例えば木造の築古物件などは価格が安いものです。

しかし、木造の築古物件は金融機関からの評価を得にくいため、必ずしもローン審査を通過できるとは限りません。また、投資の最終局面で物件を売却する時に、買い手を見つけるのが難しくなります。

金融機関とつながりの深い不動産会社を選ぶ

不動産投資ローンの審査対策として有効な方法の3つ目は、金融機関とのパイプを持っている不動産会社を選ぶことです。金融機関を開拓するためには、投資家が自ら金融機関へ相談を持ちかけるほか、不動産会社からローンを斡旋してもらう方法もあります。

不動産会社によっては特定の金融機関と提携していることもあり、提携企業からの紹介であれば、物件の質について金融機関から高評価を得られることも少なくありません。

不動産会社から物件の情報をもらう時に、提携先の金融機関があるか聞いてみることも、審査通過のためには重要なポイントになります。

まとめ

不動産投資は居住目的の住宅購入と比較すると強い事業性を持っており、成功と失敗との違いが明確です。このため、不動産投資ローンと住宅ローンとでは審査のポイントが異なっており、融資条件も違います。

不動産投資ローンの審査では勤務先や収入などのポイントを見られますが、審査項目には簡単に改善できないポイントが多いものです。不動産投資の審査対策としては、物件選びや不動産会社選びに注力することも有効になります。

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監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。

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