本に学ぶマンション投資

現役融資担当者が語る 最強の不動産投資法

現役融資担当者が語る 最強の不動産投資法

河津桜生 (著)

2019年9月25日発行

不動産投資は、融資を活用して自己資金を抑制しつつ利益を上げていくのが一般的です。しかし、不正融資の問題が起きてからは、金融機関の融資姿勢が厳しくなっています。どうすれば確実に融資を引けるのか、疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

この記事では、不正融資問題の顛末から読み解く不動産投資のリスクや失敗リカバリー術に加え、初心者や中級者が不動産投資の融資を引くコツなどについて解説します。

不正融資問題の本質

不正融資問題の中でも代表的なのは、申込者の預金残高などを改ざんする・購入物件の評価額を改ざんするといったものです。物件評価の改ざんについて言えば、そもそも銀行の融資姿勢として、物件価格の100%を貸すことは稀であり、オーバーローンも同様といえます。

スルガ銀行の問題についても、「悪質な不動産業者にサラリーマン投資家などが騙された」というスタンスのニュースが報道されています。

しかし、売買契約書の契約金額改ざんなどについては、本当に投資家が改ざんに気づかなかったのかどうかは疑わしいところです。果たして投資家には何の非もなかったのか、判断は難しいと言えます。

意外と知られていない新築物件投資のリスク

融資を利用したサラリーマン投資家が増加するにつれて、新築投資物件を営業する不動産業者が増えています。しかし、新築物件に投資するのならば、不動産業者の「倒産リスク」については十分考慮しておかなければなりません。

万が一業者の倒産によって工事が途中で中断されてしまった場合、工事を引き継いでくれる工事業者を見つけるのは至難の業です。工事が完工しなければ物件を売ることもできないので、支払い済みのお金も回収できません。

新築物件にはこうしたリスクがあるにも関わらず、多くの投資家は新築物件を好みます。なぜなら、新築物件は条件的に金融機関が融資しやすいからです。新築物件を好む入居者は多いので、相場よりも高い家賃で客付けしやすくなります。また、新築物件であれば、一定期間は大きな修繕が発生しにくいです。

しかし、その一方で、新築物件は建物代金を操作しやすいため、高額の見積もりを出してフルローンを引き出す手口が通用してしまいます。また、地方よりも入居率や地価が高い首都圏に魅力を感じる投資家は多いため、新築物件は不動産業者からすると売りやすいです。

不正融資の問題が起こったのは、以下の条件が揃っていたことも背景にあると考えられます。

  • 首都圏を好む投資家が多い
  • 不動産業者にとって首都圏の物件は売りやすい
  • 新築物件は不正融資を引き出しやすい

かぼちゃの馬車被害者から学ぶ不動産投資のリカバリー術

不動産投資に失敗して多額の借金を負うことになった場合、どのようにリカバリーしたら良いのかは、多くの投資家が不安を感じるところでしょう。ここで、かぼちゃの馬車被害者が失敗をリカバリーしている方法について事例をご紹介します。

とにかく満室稼働させる

とある「かぼちゃの馬車」購入者のAさんは、不動産業者の倒産によって、一時入居者ゼロ・家賃収入ゼロの状況に追い込まれました。しかし、現在ではシェアハウスを自主管理することで満室稼働させています。

かぼちゃの馬車問題では、投資家向けの保証家賃が周辺相場よりも高く設定される逆ザヤ状態だったため、家賃は当初想定よりも下げざるを得ません。しかし、Aさんは、固定資産税支払い以前では黒字という状況まで持ってきています。

キャッシュフローとしては赤字経営である一方、自主管理で満室稼働させている実績は作れている状況です。また、別に中古戸建てを購入して自主管理のシェアハウス運営をスタートしており、不動産投資全体で見れば黒字の状態まで持ってきています。

単体の物件運営は赤字でも、全体の運用益を黒字化することで、ゆくゆくは借り換え・追加融資を受けられるでしょう。

投資家の状況別に融資を受けるためのテクニックを解説

ここからは、初心者・中級者が不動産投資にあたって金融機関から融資を引き出すためのテクニックについて解説します。

初心者の場合

初心者の場合は、まず検討している物件の強みや弱みを整理して、融資申し込みの段階で銀行の担当者に説明できることが重要です。不動産業者の言いなりで考えてしまっている人は、今後不動産投資で融資を利用するのは難しくなると思われます。

今まで不動産投資に失敗してきた人たちは、物件価格を自分でも精査する・自ら金融機関を訪問して担当者に戦略を説明するなどの努力が足りていませんでした。また、金融機関側も申込者との接触機会を多く設けていなかったことは事実です。

しかし、不正融資問題の発生を受けて、金融機関は審査時に申込者との面談をするようになりました。このため、これから融資を受けて不動産投資をしたいと考えている人は、以下のポイントを押さえておく必要があります。

  • 不動産賃貸業を投資ではなく事業として捉えること
  • 事業内容や未来の展望を金融機関の担当者に説明できること
  • 売却も視野に入れた出口戦略まで考えておくこと

初心者には日本政策金融公庫がおすすめ

初心者が最初に融資を利用するならば、日本政策金融公庫がおすすめです。通常、日本政策金融公庫は、不動産経営事業については物件評価額の半額程度しか融資しません。

しかし、これとは別に無担保融資枠があります。無担保融資枠は金利が少し高いものの、併用できれば年収300万円の人でも少額の自己資金で物件を購入できるでしょう。ただし、公庫ならばどこでも大丈夫というわけではなく、支店や担当者によって融資の姿勢が異なるので要注意です。

紹介によって信用金庫や信用組合を開拓する

2つ目におすすめの方法は、信用金庫や信用組合を開拓して融資を引くことです。多くの信用金庫や信用組合は、不正融資問題を引きずらない対応をしてくれます。正攻法でアプローチしても、フルローンを出してくれるところがあるほどです。

これから不動産投資を始めるという人には特に、信用金庫や信用組合が狙い目になります。メガバンクや一部の地銀と比較すると、賃貸経営が厳しい時にも返済予定の変更に応じてくれることが多いです。

ただし、信用金庫などには営業エリアが狭いという欠点があります。自宅と購入物件のどちらかもしくは両方のエリアを管轄していないと融資をしてもらえないケースが多いです。

なお、信用金庫などを開拓する場合は、自ら飛び込みで相談に行くよりも、不動産会社や大家仲間などからの紹介で行くほうがおすすめです。地方ならば特に、地場で有力な不動産業者は同じ地域の信用金庫とパイプを持っていることが多いので、不動産業者に紹介を頼むとよいでしょう。

最初はリフォーム融資から始める

年収が低い場合や、すでに与信の融資枠が残っていないなどの場合は、まず数百万円など安価な中古戸建物件を現金購入し、信用金庫でリフォーム融資を利用するのがおすすめです。

何か1つでも融資を利用すればその金融機関での融資実績になるので、1期運営後に物件の買い増し資金を融資してもらえる可能性が上がります。

口座を開設して給与振込口座や公共料金の引落し口座に指定するなどの方法もありますが、これは時間がかかるため、あまり効率的ではありません。

中級者はとにかく3期黒字経営を維持することが重要

属性を武器にローンを利用して不動産投資を始めたものの、次の物件で融資に行き詰まるケースは中級者にありがちです。この場合は、もしも賃貸経営が赤字になっているのならば、とにかく黒字転換することが重要になります。収支改善のために有効な対策を複数解説します。

金利の引き下げ交渉

不動産投資の中級者が最も簡単に行える収支改善策は金利の引き下げ交渉です。先に他の金融機関で借り換え交渉を済ませ、今融資を受けている金融機関に対し、借り換え先から受け取った提案書を見せるとよいでしょう。

また、引き下げ交渉する時期も重要なポイントになります。金融機関としては2月上旬以降に交渉をスタートして、3月末に決済するのが最も理想的なスケジュールです。

借り換え

金利交渉しても不調に終わった場合は借り換えを進めるとよいでしょう。地方物件を運営している場合は、地場の信用金庫などを当たるのが現実的です。特に、地方の木造築古物件などは、東京の金融機関は評価してくれません。

まずは所有している物件エリアの信用金庫、その次は自分が住んでいるエリアの地銀や信用金庫などを当たるのが賢明です。

中級者が新たに融資を引くためのコツ

すでに1件以上の物件を数年間など経営している中級投資家が新たに融資を引くためには、既存物件の運営方針やリスクに関して自分の意見を持つことが重要です。

また、金融機関の担当者と面談しているときに、質問の意図を理解できない場合は「それはどのような意味でしょうか」など確認するとよいでしょう。回答から、金融機関がどういうケースを嫌うのかわかることもあります。

とにかく、具体的な未来のビジョンと自分自身の主体性をアピールすることが重要なポイントです。

不動産投資を成功させるために重要なポイント

不動産投資に成功している人は、物件選びに関して自分なりの判断基準を持っています。また、買い時ではないと判断したときには待てる能力も持っていることが多いです。そして、物件を安く買うためには、何よりも交渉力が重要になります。

また、最新の情報に触れることを意識しましょう。例えば、10年前の本に書かれている投資事例の紹介などは、今不動産投資を進めるにあたっては、あまり参考になりません。

まとめ

不動産投資の規模を拡大していくために重要なポイントは、金額だけに注目していたずらに規模を求めるのではなく、事業として伸ばしていくことです。「融資を使えるから買い増しする」のは間違っていますが、融資を極端に怖がることもまた間違っていると言えます。

また、融資には信用金庫を利用するのがおすすめです。できれば3行程度開拓してローテーションできれば、事業伸長にかかる時間を短縮できます。

信用金庫は、例えば地銀よりも地場の不動産事情に明るいので、購入する物件がしっかりしていれば、さほど厳しい指摘をしてきません。一方で、債権者と長期的な付き合いをしたいと考えているので、その考え方に寄り添うことが必要です。



現役融資担当者が語る 最強の不動産投資法

現役融資担当者が語る 最強の不動産投資法

河津桜生 (著)

2019年9月25日発行

マンション投資の教科書を運営するジー・ピー・アセットが主催するセミナーのご案内 超入門!! 失敗相談事例に学ぶマンション投資セミナー

場所

新宿駅南口徒歩5分ジー・ピー・アセット
セミナールーム

セミナー情報はこちら

この物件を買うのが
本当に正しいの?

ご検討中の投資物件について、
プロが第三者視点で診断するセカンドオピニオンサービス!

毎月
5名限定

投資物件
無料診断サービス

毎月
5名限定

投資物件
無料診断サービス