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「入居率100%」を実現する 「外国人大歓迎」の賃貸経営

「入居率100%」を実現する 「外国人大歓迎」の賃貸経営

田丸 賢一 (著)

2021年11月18日発行

日本ではすでに人口の減少が始まっており、人口減少は不動産の賃貸ニーズを縮小させることから、不動産投資は都市部でしか成功できないという見方も広がりつつあります。また、実際に地方では入居率の低下に苦しむ不動産オーナーがいることも事実です。

その一方で、飲食店やコンビニなど生活に身近な場に外国人が増えています。人口減少時代の日本においては、賃貸経営を安定させるために外国人をターゲットとするのが非常に有効です。この記事では、外国人向けの賃貸経営について、その実態やメリットを詳しく解説します。

不動産業界が持つ外国人に対する誤解

外国人向けの賃貸経営というと、日本人向けに賃貸するよりもリスクが上がるのではと思う人も多いのではないでしょうか。

しかし、実際には、外国人に対するイメージが事実に基づかない誤解であるということも否定できません。まずは外国人に対する誤解とその実態について解説します。

属性やマナーが良くない

属性とは、主に保証会社の審査において確認される収入や社会的地位などを総称したものです。一部の不動産会社や保証会社では、具体的な情報を確認しようとせずに「外国人である」というだけで契約を断っているケースがあります。

しかし、日本での定住を考えている外国人は、一部の例外を除いて留学や母国への仕送りなど明確な目的を持っているのが実態です。出稼ぎで日本に来ている人は特に、居住関連のトラブルによる本国への強制送還などは絶対に避けたいと考えています。

一部報道では外国人による犯罪が大きく取り上げられることもあります。しかし、日本で暮らす外国人は、その大半が日本人よりも生活に気を遣っているのが実態です。良くない生活態度や犯罪などに関しては「外国人であること」が問題というよりは、「その個人に問題があった」と言えます。

そのほか、外国人入居者に対して「ゴミ出しのルールを守らない」「夜中でも人を集めて騒ぐことがある」などのイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。しかし、これらの入居者トラブルは、その大半が「ルールが正確に伝わっていないこと」を原因として発生しています。

例えば東京都の杉並区では、転入者向けに発行しているゴミ出しのリーフレットについて、英語・中国語・フィリピン語など複数の外国語表記に対応しています。外国語表記のパンフレットを活用した結果、外国人によるゴミ出しのルールは改善されているのが実態です。

また、騒音などの生活マナーについても、あらかじめ入居者の母国語でルールを説明しておけば、後々トラブルが起こることは少ないと言えます。

家賃滞納のリスクが大きい

外国人向けの賃貸というと、滞納されたまま帰国されてしまったら、滞納家賃を回収できないのではと不安を感じる人もいるでしょう。しかし、明確な目的を持って日本に来ている外国人の生活態度は良く、家賃滞納のリスクも高くありません。

また、近年では外国人専門の賃貸保証会社があるほか、公益財団法人日本国際教育支援協会が「留学生住宅総合補償」というサービスを展開しています。

万一入居者が家賃を滞納したまま帰国してしまったとしても、保証会社から滞納分の家賃を受け取れるため安心です。

外国人向け賃貸経営のメリット

外国人向けの賃貸経営を進める上では、日本における賃貸経営では不利に働くポイントが強みとなることも少なくありません。ここからは、外国人向けに賃貸経営のメリットについて解説します。

水回りが「3点ユニット」でも問題ない

日本人向けの賃貸を行う場合、バス・トイレが一体になっている3点ユニットを嫌う入居者は多いものです。このため、築古物件の入居率を改善する場合には、バス・トイレ別に改装する工事を行うこともあります。

狭小物件の場合は、バス・トイレを分けることで居室面積が狭くなり、工事をしたのに結局入居者が入らないという失敗例も少なくありません。

その一方で、外国人向けに賃貸する場合は、バス・トイレ別の物件よりも3点ユニットの物件の方が有利です。理由は2つあります。まず、海外では浴槽につかるという文化が根付いていません。また、水回りが3点ユニットの物件は、バス・トイレ別の物件と比較して家賃が安いためです。

日本人向けの賃貸においては弱点になるポイントが、外国人向けの賃貸では強みになるという点は、外国人向け賃貸が持つ大きなメリットと言えます。

外国人は立地や築年数をそれほど気にしない

不動産投資の世界における一般常識では、駅から遠い物件は入居者に好まれないため、賃貸経営には不向きです。しかし、外国人は日本人ほど歩くことを苦にしません。また、日本はアジアの中でも公共交通の整備が随一進んでいる国です。

例えば東南アジアや中央アジアなどの人から見ると、「日本は公共交通が整備され過ぎている」と映るようです。このため、一見駅から遠く不利な物件であっても、立地条件と家賃や初期費用などとのバランスが取れていれば、外国人の賃貸ニーズを取り込めます。

また、築年数に関しても同様です。日本人の感覚としては新築を好む傾向が強いため、例えば築30年の物件などは敬遠する入居者も多くなります。その一方で、外国では築年数が100年以上過ぎている物件に住むことも少なくありません。

駅から遠く築古の物件であっても、外国人向けの賃貸経営であれば勝算があるという点で、外国人向けの賃貸経営には大きなメリットがあります。

口コミによる入居のループを作れる

日本で暮らす外国人は同じ国の人に対して強い「同朋意識」を持っています。なお、これは日本人においても例外ではありません。海外の大都市ではよく「日本人会」が組織されており、現地では日本人向けのイベントなどが活発に開催されています。

このため、外国人が物件に入居した際は、丁寧にコミュニケーションを取るようにしておくと、退去時に大きく感謝されることが少なくありません。そして「このオーナーの物件であれば親切にしてもらえる」という口コミが外国人のコミュニティに広がることで、1度退去が発生しても次の入居者を見つけやすくなります。

なお、著者は外国人入居者に対して「次の入居者を紹介してくれたら、あなたはクリーニング費用や原状回復費用を支払わなくてもいいですよ。」と伝えることで、退去者から次の入居者を紹介してもらえるループを作っています。

外国人は日本人と違って入居前の汚れや傷などをそれほど気にしません。多少部屋が傷んでいても、入居を決めるケースは多いものです。こうした背景も相まって、著者は入居者入れ替えによる空室期間を大幅に短縮することに成功しています。

不動産会社の選び方

外国人向けの賃貸経営を進める上では、日本人向けの不動産会社とは異なる不動産会社を見つけることが必要です。外国人専門の賃貸保証会社及び仲介会社について、その実態を解説します。

外国人専門の賃貸保証会社とは

外国人専門の保証会社では、日本人向けの賃貸保証サービスを行っておらず、外国人のみを顧客としています。また、外国人向けに生活総合支援サービスも行っているのが特徴的です。生活総合支援サービスの内容は、部屋探しに加えて人材派遣及び人材紹介など多岐に渡っています。

このような保証会社とつながりを持っておくと、外国人から住居に関する相談があった時に、安心できる不動産オーナーとして紹介してもらえることもあるので有効です。

外国人専門の仲介会社を選ぶ

東京都内では特に、外国人を専門とする不動産仲介会社も年々増えています。しかし、外国人専門の仲介会社といっても、得意とする言語や国は会社によって様々です。言語が変わると対応できるスタッフの確保にも手間がかかるため、対応する国やエリアを限定する会社が大半となっています。

このため、外国人専門の仲介会社を選ぶ上では、どこの国を得意としているのか確認しながら比較することが重要です。なお、身の回りで特定の国の外国人とつながりがある場合には、その国を得意とする不動産会社を選んでおくと、後で入居者のループを作りやすくなります。

まとめ

外国人向けの賃貸経営では、築古で駅から遠いなど条件的に不利とされる物件であっても入居者を入れることが可能です。また、日本に住む外国人は同朋意識が強いため、紹介をお願いするなど工夫すれば、空室期間をきわめて短縮することができます。

トラブルを起こさないために重要なポイントは、入居審査にあたって人をしっかり見ることと、注意事項について入居者の母国語で説明しておくことです。


【関連リンク】その他の本はこちらからご確認ください。



「入居率100%」を実現する 「外国人大歓迎」の賃貸経営

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田丸 賢一 (著)

2021年11月18日発行

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監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。

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