マンション投資基礎知識

不動産投資で出口戦略を成功させるための対策は?売り時や物件を見極めるコツ

不動産投資を成功させるためには出口戦略が重要と聞くけれど、適切な出口戦略がわからないと言う人もいるのではないでしょうか。

不動産投資で出口戦略を成功させるために重要なポイントは、賃貸需要のある物件を適正価格で購入することです。そのほか、物件購入の時点で売却のタイミングを想定しておくことも必要になります。

不動産投資で出口戦略を成功させるため把握しておくべきポイントについて解説します。

選択できる出口戦略は物件種別で異なる

不動産投資で選択できる出口戦略は、区分マンションや一棟もの物件など、物件種別によって異なります。物件種別に考えられる出口戦略について、概要を解説します。

区分マンション

区分マンションの出口戦略としては、売却以外にも自宅として利用するか、利益が小さくても保有し続けるなどの選択肢が考えられます。

なお、売却する場合でもそのまま売却するか、リフォーム・リノベーションをしてから売却するかといった点について選択が必要です。区分マンションの場合は、リフォーム・リノベーションの範囲が狭い点に、一棟アパートや戸建物件等との違いがあります。

一棟アパート

一棟アパートの場合は、売却する場合であっても、そのままアパートとして売却するか、建物を取り壊しして更地として売却するのか等選択が必要です。また、建物を建て替えて新築物件として売り出す考え方もあります。

そのほか、建物を取り壊した後に自宅を建設して活用できるのも、一棟もの物件ならではの出口戦略です。一棟もの物件は、区分所有の物件よりも選択肢の幅が広い点に特徴があります。

物件売却の最適なタイミングを見極めるポイント

物件を売却する前提で考えると、出口戦略を成功させるために最も重要なポイントは、最適な売却のタイミングを見極めることです。物件売却のタイミングを見極めるために、押さえておくべきポイントを解説します。

譲渡所得税が変わるタイミングを把握しておく

不動産を売却すると、自ら居住していた物件か投資用物件かに関わらず、譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は、不動産の保有期間によって税率が変わる点に要注意です。

物件を購入した翌年の1月1日から数えて5年経たずに売却すると、短期譲渡とみなされて合計で39%の税金が課税されます。5年経過後に売却すると、長期譲渡とみなされて税率が20%に下がります。

税率が19%違うので、物件の売却によって利益を確保するためには、税率が下がった後に売却することが重要です。

※参照:国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm

また、木造の築古アパートなどは譲渡所得税が高額になりやすい点にも要注意です。課税対象となる売却益は以下の計算式で計算します。

物件売却額 - 物件購入額 – 計上済みの減価償却費

築22年を過ぎた木造アパートは、減価償却費が非常に大きいため、譲渡所得税の課税対象額も大きくなります。また、投資を終了する際には、物件をできる限り高く売りたいと考えがちです。

しかし、売却額が高くなると譲渡所得税も上がるため、売り出し価格を決める際にはバランスを考慮することが必要です。

収支をシミュレーションして損益分岐点を見極める

日本では、大半の不動産は築年数の経過とともに価値が下がっていきます。また、募集家賃もだんだんと下がっていくのが一般的です。その一方で、修繕費や管理経費など運用上の支出は増えていきます。

収入が減って支出は増えていくため、物件を保有し続ければ赤字収支となるタイミングが到来します。不動産投資の出口戦略を成功させるためには、赤字収支になる前のタイミングで物件を売却することが必要です。

なお、赤字収支になるタイミングのことを「損益分岐点」と呼びます。物件を購入する前に、収入が減って支出は増えていく前提で収支をシミュレーションしておき、損益分岐点を見極めることが重要です。

買主がローンを使うことを考慮する

不動産投資の出口戦略を成功させるためには、売りやすい時期に物件を売却することが重要です。法定耐用年数が十分に残っている時期に売却するほうが、買い手はつきやすくなります。

不動産投資の世界では、大半の投資家は物件を購入するときにローンを利用します。そして、金融機関はローンの審査をするときに、購入物件の法定耐用年数が何年残っているか確認します。

残りの法定耐用年数が多く残っているほど、新たな買主が利用するローンの返済期間は長くなるのが一般的です。返済期間が長いほど毎月の返済額は少なくなるため、新たな買主にとっては利益を出しやすくなります。

法定耐用年数は国税庁が物件の目的と構造別に定めているため、あらかじめwebサイトで把握しておくと、出口戦略を立てる上で役立ちます。

※参照:国税庁
https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html

売却を成功させやすいのはどんな物件?

あらかじめ出口戦略を立てていても、実際に物件の売却が成功しなければ意味がありません。どんな物件であれば売却しやすいのか、疑問に思う人もいるのではないでしょうか。売却という観点から、築年数や立地ごとに出口戦略を考える上での注意点を解説します。

新築物件か中古物件か

不動産投資における新築物件として代表的なのは、新築の区分マンションです。新築物件は入居者にも好まれるため、投資するなら新築物件のほうが良いと考える人もいるかもしれません。

しかし、新築物件は出口戦略を立てづらい部類に入ります。大半の場合において、分譲時の物件価格が周辺相場より高いためです。新築物件には、売主の利益が販売価格に転嫁されています。

購入したときには新築物件であっても、売却するときには中古物件として扱われます。中古物件を売却するためには、売出価格を周辺相場に合わせることが必要です。

新築の区分マンションに投資すると、売却価格が購入価格よりも大幅に下がってしまい、ローンを返済できないという失敗も起こり得ます。新築物件は入居者に好まれやすいうえ、売却の難易度も比較的低いものです。しかし、物件の見極めができていないと、売却時に損失を出す確率が高いと言えます。

中古物件は築年数次第で敬遠されることもありますが、工夫すれば売却を成功させることも可能です。新旧の比較で見ると、中古物件のほうが出口戦略を描きやすいと言えます。

都心物件か地方物件か

立地の視点で物件売却の難易度を考慮すると、都心物件のほうが売却しやすいものです。都心物件は入居者にも人気があります。しかし、都心物件は高価格低利回りになりやすい点に要注意です。

一方、地方物件は低価格高利回りですが、空室リスクが高くなります。投資用物件としては、空室中の物件よりも入居中の物件のほうが売却の難易度は低いものです。

地方物件に投資するのであれば、物件購入時点で売却まで視野に入れた計画を立てることが必要になります。入居率を上げるための対策や入念な管理会社の選定など、不動産会社に相談しながら進めることが重要です。

あるいは、都心から見て郊外の物件に投資するのも選択肢の1つです。郊外の物件に投資する場合は、オフィス街へのアクセスなどを考慮した物件選びが必要になります。

可能な限り売却価格を上げるための対策

出口戦略を立てる上では、物件の売却価格を想定することも必要ですが、高く売却できるに越したことはありません。投資用物件を少しでも高く売却するために有効な対策について解説します。

複数社から売却価格の査定を受ける

不動産売却の価格を決める上で重要なポイントは、不動産仲介会社から提示される査定額です。しかし、1社だけから査定を受けると、提示された査定額が妥当なのか判断がつきません。査定額の妥当性を判断するためにも、複数の不動産会社から査定を受けることが重要です。

なお、媒介契約を取るために不釣り合いな査定額を提示してくる不動産会社もいます。他社よりも査定額が不自然に高い場合は、査定額の根拠を確認することが重要です。

査定額が高く、根拠がしっかりしている不動産会社に売却を依頼すれば、売却額を上げることも可能になります。

稼働中物件として売却する

空室中の物件よりも、入居者が入っている稼働中の物件のほうが、投資家に選ばれやすいものです。入居者募集の戦略を練ることは、物件売却の難易度を下げることにもつながります。

また、物件購入時点で入居者に好まれる物件を選ぶことも重要です。立地を見極めることが安定的な家賃収入を得ることや、出口戦略の実現難易度を下げることなどにつながります。

まとめ

不動産投資の出口戦略を成功させる上で最も重要なポイントは物件選びです。賃貸需要のある物件を選べれば、安定稼働させることで物件売却の難易度も下がるため、出口戦略が成功する確率も上がります。

そのほか、周辺相場よりも高い物件を避けることも出口戦略に影響を及ぼします。物件購入時点で周辺相場よりも高い物件を購入すると、物件売却時点で損失を出す確率が上がるため、周辺相場の事前確認は非常に重要です。


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監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。

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