本に学ぶマンション投資

不動産経営 誰も教えてくれないお金の残し方

不動産経営 誰も教えてくれないお金の残し方

川村 龍平 (著)

2020年6月26日発行

不動産投資は知識がない状態で始めてしまうと失敗することも多い資産運用です。初心者の方の中には、「分からないことが多いから不動産業者に相談して進めよう」と考えている人もいるかもしれません。

しかし、不動産投資を通じて明確にお金を残す方法まで教えてくれる不動産業者はあまり多くありません。お金を残すために重要なポイントは、実際の手残りを見て物件を選ぶことと経費の削減です。この記事では、不動産投資によるお金の残し方について解説します。

不動産投資は黒字倒産との戦い

不動産投資は入居者がいて家賃収入が入っているのに、税金を支払うと赤字になってしまうという事態も起こり得る資産運用です。いわゆる黒字倒産の状態にならないために気を付けるべきポイントについて解説します。

「何となく手残りが少ない」は危険信号

2021年時点では「かぼちゃの馬車事件」及びコロナの流行に端を発した不景気などにより、銀行の不動産投資に対する融資姿勢は厳しくなっています。かぼちゃの馬車事件について事の顛末を紐解いていくと、相場を無視した物件価格や家賃設定など、投資家が不動産投資に関する知識を持っていれば騙されずに済んだ部分がたくさん見えてきます。

不動産投資に興味がない人の目にもつくほど大きく報道された事件であり、「自分はこんな簡単に騙されない」と感じた人も多いのではないでしょうか。

しかし、投資を含む不動産の業界は歴史が古く、悪徳不動産業者のやり口も多様化しています。生半可な知識しか持たない状態では、必ずしも百戦錬磨の不動産業者に騙されないとも言い切れません。

不動産業者に騙されないためには、投資家が自らの目と判断基準を持って物件を判断することが必要です。そして、物件を判断する指標の1つとなるのがキャッシュフローです。

キャッシュフローシミュレーションの重要性

キャッシュフローとは、家賃収入から各種経費と税金などを差し引いた後の金額のことを指しています。家賃収入から必要経費を差し引く程度の計算をする人はいますが、正確に税金その他の経費まで収支を確認する人はあまり多くありません。

毎月預金通帳を見て何となく「あまり儲かっていないな」程度にしか感じない人は、いずれ家賃の下落や税率の引き上げなどが起こった際に、赤字経営へ陥る可能性があります。

特に投資用の新築マンションなどを販売している業者は、1年目から3年目までのシミュレーションしか提示しないことも多いものです。そのような物件を購入後、突然赤字経営に陥ってようやく危機感を持ち始める人もいます。

物件を購入する前には、投資家が自ら長期的なキャッシュフローをシミュレーションすることが重要です。特に税務上の経費となる減価償却費や支払金利は、一定時期を経過すると突然大幅に減るか無くなります。そうした時期に税金によって赤字に陥ることがないか、所得税・住民税・固定資産税などの税金をシミュレーションすることが重要です。

サラリーマンをアーリーリタイアするために必要なポイント

不動産投資を検討している人の中には、いずれ専業大家になってサラリーマンをアーリーリタイアしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。アーリーリタイアに向けて重要なポイントは、キャッシュフローにこだわって一棟もの物件を選ぶことです。

一棟もの物件が不動産投資の王道

不動産投資を成功させるためには、経費の削減と物件の資産性を保つことが重要になります。物件の資産性とは言いかえれば銀行がローン審査の時に算出する「積算評価」です。

例えばRC造の区分マンションなどを購入すると、築年数の経過に伴って積算評価は下がっていきます。RC造のマンションは木造アパートよりは積算評価を保てるものの、土地の分の価値はほとんどないという点がデメリットでありリスクです。

一方、土地は経年劣化しないため、年数が経っても積算評価を維持できます。投資規模を拡大していくためには、物件の売却によって自己資金を増やし、再投資していく手法が不可欠です。

物件を売却しながら入れ替えていくことも考慮すると、価値が下がりやすい区分マンションよりも土地付きの一棟物件の方が不動産投資の王道と言えます。

専業大家になるために

サラリーマンが専業大家になるためには、毎年のキャッシュフローが2,000万円必要と著者は書いています。ここでいう2,000万円とは、各種経費の支払いに加えて税金も支払い終わった後の金額です。

2,000万円あれば、1,000万円を生活費その他に充てたとしても、仮に金利の引き上げなどがあった場合にローンの繰り上げ返済と物件の売却によって、物件の入れ替えが可能になります。

なお、利回りの低い物件ばかりを抱えていては、年額キャッシュフロー2,000万円を達成することはできません。徹底的にキャッシュフローにこだわって、土地付きの物件へ投資していくことが重要です。

キャッシュフロー最大化のカギは自主管理

不動産投資において利益を上げていく上で、必要経費が少なければ少ないほど良いのは言うまでもありません。また、投資用不動産を購入した後には入居者を入れるため及び資産価値を保つため、適切な管理を継続する必要があります。ここで有効になるのが自主管理です。

賃貸管理費は非常に大きなウエイトを占めている

経費を節約してキャッシュフローを残すという観点に立つと、管理会社へ支払う賃貸管理費はかなり大きな負担となります。賃貸管理費の金額は不動産業者によって様々ですが、家賃収入の3%から5%などに設定されているのが一般的です。

毎月の賃料収入に対して3%から5%と考えると、あまり大きな金額ではないように感じられるかもしれません。しかし、「塵も積もれば山となる」ということわざの通り、年額で換算すると非常に大きな割合となるのが管理費です。

なお、毎月賃貸管理費を支払っていてもなお、業務ごとに別途手数料を請求されることもあります。そもそも賃料の3%~5%という設定に具体的な根拠はなく、どんどんと積み重なっていく現実を考慮するならば、自主管理費によって賃貸管理費を削減するのも1つの方法と言えます。

入居者募集の面でも自主管理は有効

不動産投資を安定させるためには、1度入ってもらった入居者に契約更新を続けてもらうことが必要です。入居者が入るときには、物件オーナーと入居者との間で賃貸借契約書を結ぶことになります。

賃貸借契約書では、契約期間満了の1ヶ月前までに解約の意思を示さない限り、契約は自動更新するとなっているケースも多いものです。しかし、次の入居者募集について考慮すると、1ヶ月前という猶予は急と言わざるを得ません。

また、入居者の入れ替えが起こると、住戸のクリーニングや壁紙の張替えなど様々な費用がかかるほか、空室期間中は家賃収入が入ってきません。概算で家賃の5ヶ月分は収入に穴が開くと言って良いでしょう。

賃貸管理を不動産業者に任せていると、入居者とのコミュニケーションが希薄になるため、急に退去の申し出が入って慌てることも少なくありません。その点、自主管理をしていると入居者との接点が増えるため、ある程度早い段階で退去の意思を確認することも可能です。

そのほか、更新料の値下げや設備の更新などによって退去を引き留める交渉もできます。更新料の値下げや設備の更新などは費用がかかるものですが、家賃の5ヶ月分収入が減ることを考慮すれば、それほど大きな出費とは言えないものです。

まとめ

不動産投資詐欺などに合わないためには、投資家も自ら知識をつけて物件を検証することが必要になります。物件を検証するために見るべきポイントは、物件ごとのキャッシュフローです。

なお、キャッシュフローを増やすためには経費の削減が重要なポイントになります。経費削減のためには賃貸管理を不動産業者に任せるのではなく、自主管理することも有効です。自主管理をすれば、費用を削減できるだけではなく入居者とのコミュニケーションによって退去を予防することもできるようになります。


【関連リンク】その他の本はこちらからご確認ください。



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川村 龍平 (著)

2020年6月26日発行

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監修者プロフィール

  • 人物

    小川 進一

  • 氏名

    小川 進一

  • 保有資格

    • ・(公認)不動産コンサルティングマスター

    • ・相続対策専門士

    • ・不動産エバリュエーション専門士

    • ・宅地建物取引士

    • ・賃貸不動産経営管理士

    • ・定期借地借家プランナー

  • プロフィール

    不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
    自身も都内に複数所有している実践大家。

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