マンション投資基礎知識

マンション投資は得か損か:その8 出口戦略とは

マンション投資は、毎月の家賃収入による「インカムゲイン」ばかりが強調されますが、最終的な利回りは売却したときに確定されるものです。たとえ売却する予定が無かったとしても、購入予定のマンションが売却時にはどれくらいの評価がされるかを把握しておくことは大事なポイントです。

購入時に想定される利回りが高いマンションであっても、売却価格が購入価格を大きく下回ってしまう可能性があるのであれば、投資用マンションとしてはあまりお勧めできるものではありません。

マンション投資の実態

マンション投資は、安定した家賃収入を得ることができるという側面が強調されるあまり、投資という視点がぼかされてきていますが、まぎれもなく不動産に投資をすることだということをわすれてはなりません。

投資であるからには、損益がプラスであれば成功、マイナスであれば失敗になります。

不動産に投資するということは、出口、つまり売却したときに投資した元本がどれだけ維持できるか把握しておく必要があります。また、不動産は他の金融商品と比較すると流動性が高くはないので、シミュレーション通りに不動産を売却するには、ある程度長期的な戦略を立てる必要があります。

不動産の流動性 - 新築ワンルームマンションと中古ワンルームマンション

マンション投資において、最終的な利回りはマンションを売却したときに確定するものです。たとえ家賃収入による期間利回りが高かったとしても、売却するまでに得られた家賃収入の合計と売却価格を足しても購入価格を下回ってしまったら「投資」としては失敗です。

例として新築ワンルームマンションと中古ワンルームマンションの収支の比較をしてみましょう。

本体価格2,000万円、利回り5%(100万/年)のマンションを5年間運用したとします。本来は諸経費なども発生しますが、単純計算で2,000万円の投資に対して500万円のインカムゲインを得たことになります。

つまり、5年間で投資金額の25%をリターンとして得たことになります。

しかしこの500万円という利益は、マンションが2,000万円で換金することができてはじめて利益と呼べるものです。新築ワンルームマンションは、一度でも登記されてしまうと市場に出るときに中古となってしまうことを忘れてはなりません。

また、ワンルームマンションの購入層はほとんどが実需目的ではない投資家です。そのため、売却時にリフォームを行って付加価値を付けても、バリューアップの効果はあまり見込めません。

新築ワンルームマンションの流動性が低いと言われるのはそのためです。

実際、新築ワンルームマンションは分譲時の価格と市場に流通したときの中古価格で20%~30%くらいの違いが出てきます。このシミュレーションのマンションも、中古として売却すると、おそらくよくて分譲時の75%、1,500万円くらいになるでしょう。

上記の例では、5年間のマンション投資で収支は「プラスマイナスゼロ」になりました。しかし、借入金を活用している場合には金利の割合に応じて利息を払わなければならいこと、他にも修繕費やクリーニング費などの諸経費が発生することを考えると、利回り的にはゼロ以下になる確率が高いと言えます。

では、このワンルームマンションを新築ではなく中古で購入したらどのようになるでしょうか。

同じように、5年間の運用例で見てみましょう。購入価格が分譲時の75%で1,500万円、利回りはまだ築5年なので新築時と同じ家賃収入が得られるとして、100万円×5年で500万円、売却価格は購入時の95%で1,425万円とします。

新築で購入したケースでは0であった収支が、中古で購入した場合では425万円の利益がでます。

不動産の流動性が低いのは、ちょっとした数字のあやで、購入価格と売却価格の差額が出てしまう可能性があることに起因します。いざ手放さなければならないケースでも、売る意志が強くあればあるほど、当然買う側に足元を見られてしまい、売るに売れない事態にもなりかねません。

マンション投資成功の秘訣は、マンションを購入する時点で、10年後、20年後の運用・売却の収支を予測することです。そのためには、マンションの資産価値を常に把握し、元本割れするリスクをどれくらいの期間利回りでカバーすればよいのか、またどれくらいの期間保有すればよいのかを熟慮していかなければなりません。


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