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任意売却物件ではじめるローリスク不動産投資-元手100万円でできるマンション経営-

任意売却物件ではじめるローリスク不動産投資-元手100万円でできるマンション経営-

丸の内AMS株式会社 安田裕次 (著)

2014年10月11日発行

不動産投資で成功するには、割安な物件を購入することが非常に大事です。特に、手持ち資金の少ない初期段階で割高の物件を購入してしまうと、その投資は取り返しがつかなくなってしまいます。そこで、市場価格の2~3割安く購入できる“ワケあり物件”、任意売却物件を活用した不動産投資を紹介します。もちろんワケありなので万人に適しているわけではありませんが、安く仕入れられるのは他には代えがたい魅力です。

任意売却物件とは

任意売却物件は、住宅ローンの返済が滞っている物件の所有者が、競売にかけられる直前に債権者(金融機関)の了解を得て、一般的な方法で売却する方法のことをいいます。
競売は裁判所が粛々と実行するもので、権利関係は無視され、ローンの残債より下回るケースも多く、債務も残ります。任意売却は競売を避けられる唯一の方法であり、売る側も物件価格を設定できるなど、競売に比べてメリットが大きい販売手法です。

不動産投資家が任意売却物件を購入するメリット

任意売却物件を購入する最も大きなメリットは、市場価格よりも格安だということです。
もちろん安いには理由があります。それは、(1)権利関係に問題があること(2)リフォームがされていないこと(3)オープンハウス(=購入希望者に物件を公開すること)がないことです。

最も大きい点は(1)の権利関係に問題があることです。
住宅ローンが滞納されると、融資した金融機関は物件を処分して資金を回収しようとしますが、返済ができない世帯は住宅ローン以外にも税金、健康保険、公共料金なども滞納しています。国税庁や自治体も差し押さえ登記を行っていることから、権利関係が複雑化しがちです。任意売却物件はこのような権利関係の整理・処理が複雑で面倒なため、市場価格より2~3割安くなっています。通常、任意売却物件を販売する不動産業者が、権利関係を整理して販売するため、不動産投資家にとっては、基本的に通常の不動産物件と違いはありません。

(2)の「リフォームがされていない」理由は元の所有者が居住しているからです。ローンを滞納しているので部屋が荒れていることが多いのも特徴です。
任意売却物件は、購入前に居住者が退去した場合でもリフォームはされず現状のままでの引渡しとなります。

(3)「オープンハウスがない」については、競売物件のようにまったく中に入れないわけではありませんが、一般の居住中物件と比べると制限があるものと考えるべきです。

上記の理由により、任意売却物件は市場価格よりかなり安く金額が設定されることになります。

物件取得費用を抑えられれば、キャピタルゲイン(売却益)とインカムゲイン(家賃収入)両方を狙いやすくなります。
任意売却物件は、元の所有者の多くは「物件を売却しても家賃を払って住み続けたい」という意向があります。そのため「空室リスク」がない状態で不動産投資をスタートすることができます。このような物件を「リースバック物件」といいます。また、もし住人が退去したとしても、市場価格よりも安く購入しているため、リフォームして売却しても売却益が出やすいですし、新しい入居者からインカムゲインを獲得するという選択肢もあります。

どうすれば任意売却物件を購入できるのか

任意売却物件を取り扱っている不動産会社は、東京・大阪合わせて20社程度になります。そのうち上位3社が大半の物件を取り扱っていますが、権利関係が煩雑なため、ほとんどプロの不動産会社や不動産投資専門の資産運用会社に販売されます。残りの不動産会社は、著者の会社を含め個人投資家向けに任意売却物件販売をしています。そのような会社と懇意にしておき、「情報が入ったら教えて欲しい」とお願いしておくのが選択肢の一つです。ただ、不動産会社もリノベーションを施し価値を高めて転売するため、「既に入居者がいて不動産価格も高くなく、自社で販売するにはメリットが少ない」などの理由でまわしてくれる物件を根気よく待つことが大切です。もし1件目を購入できたら、その不動産会社に管理や修繕を依頼して関係を継続しておき、2件目、3件目を紹介してもらう、というのも戦略の一つです。

ただし、注意すべきなのは、任意売却物件を扱う業者(不動産会社、コンサルタント)は怪しい業者が多いのも事実です。店舗がなかったり、「任意売却が成功したら○百万円渡す」という口約束をしてきたり、不動産の免許、宅地建物取引主任者の資格すら持っていなかったり、要望を聞かずに一方的に話を進めたりするような業者は要注意です。売買が済んでから「退去するはずだったのに居座られた」などトラブルになるケースもあるので、できるだけ信頼できる会社を選びましょう。

物件を選ぶ前に知っておきたいこと

任意売却物件は、立地や築年数などの一般的な条件に加え、債権者の実態や抵当権、差し押さえ状況といった権利関係の重要事項に気をつけましょう。購入金額とは別に、住民税や健康保険税などの税金差し押さえ解除費用が必要となる場合があり、その際はローンを組む段階で金融機関が差し押さえを外すよう求めるのが通常です。場合によっては、入居者の引越し費用を負担しなければならないこともあります。

また、投資物件として評価する以上は、キャピタルゲインを狙うなら転売しやすい物件に絞る必要があり、インカムゲイン狙いならば一定期間保有することになるため、管理費、修繕積立金、リフォーム費用などをキャッシュフローに影響のある支出項目のチェックは必須です。管理費や修繕積立金は前所有者が滞納しているケースもありますし、修繕積立金は、今後追加費用が発生する恐れもあるので管理組合にどの程度の積み立てがあるかチェックが必要です。

リースバックの場合は家賃設定が重要です。通常は仲介に入る不動産業者が物件広告を出す段階であらかじめ家賃の金額は決めていますが、購入価格に対して年間で10~12%で運用できるのが理想です。利回りを慎重に設定しないと、見えない支出で投資家自身のローンの返済に支障が出ることも、入居者の家賃支払い能力を超えてしまうこともあります。また、入居者に賃料の30%で加入できる保証会社の保険に入ってもらえば、家賃滞納にも対応できます。

リフォームは必要になる

元の住人がそのまま賃料を支払って済み続ける場合は、修繕・リフォーム代は当面必要ありません。しかし、入居者が家賃を払えない場合は退去となり、売却か、入居者を探すかの選択に迫られます。任意売却物件は部屋が荒れているケースが多いので、何らかの修繕かリフォームが必要となります。築後年数も考慮して、購入時にコストの試算はしておきましょう。

もしリフォームを行ってキャピタルゲインを目指すのであれば、最初から空室となる前提の物件を狙うのがよいかもしれません。事前にリノベーション業者を選定しておくのがよいでしょう。

出口戦略のための基礎知識

任意売却物件に限りませんが、プロの不動産会社は最初に物件をチェックした時点で、転売のタイミングや上乗せ金額を計算し、購入するかどうかを判断します。出口戦略を購入時に考えておくことでリスクの少ない投資が行えます。
特にプロは「譲渡所得税」「減価償却」「ローン利息」をもとに転売タイミングを計るため、基礎知識としてご紹介します。

(1)譲渡所得税
物件購入後5年が経過すれば「長期譲渡所得税」の対象となり、税率が低くなります。5年以内なら「短期譲渡所得税」となり税率が高くなるので、もし4年程度物件を保有するぐらいなら、あと1年は様子を見たほうが良いということになります。

(2)減価償却
建物部分は減価償却の対象となります。建物は物件取得時の金額を一度の経費として計上することはできず、何年かに分けて計上します。物件の価値が減価するにしたがって、税金の経費として償却します。減価償却が使えないと税金が高くなりますので、建物の耐用年数(木造で22年、マンションは47年)との関係で売り時を考えます。

(3)ローン利息
ローンは一般的に元金と利息を均等に返済していく「元利金等払い」方式になります。最初は利息ばかりを支払うことになりますが、利息分は全額税金の経費として落とすことができ、元本は経費になりません。年数と共に利息は減少し、元本返済が多くなっていきます。10年を経過すると利息が少なくなり、節税効果が減っていきます。

また任意売却物件は格安で仕入れられるので、賃料がたまって利益が出れば、市場価格で売却することで儲けが出ます。投資用不動産の市場価格の算出方法は以下のとおりです。

年間家賃収入÷キャップレート=市場価格

たとえば、年間家賃収入が120万円で、キャップレートが10%だった場合、市場価格は1,200万円となります。早く売りたい場合は標準的な利回りを1%ほど上げるなどして、販売価格を決めていくのが良いでしょう。

個人投資家は、リフォームして高く売るほうが得だと考えるかもしれませんが、投資用不動産としては入居者がいる状態で売る「オーナーチェンジ物件」として市場に出した方が売却しやすい傾向にあります。利回りが高い状態で賃借人が入っているなら、数年インカムゲインを獲得してからオーナーチェンジ物件として転売するのもよいでしょう。また、物件がファミリータイプや一戸建てであれば、空室になってからリフォームして売り出せば、一般の中古住宅需要に応えられるため、投資物件としてよりも高く売却することができます。

また、ローンが払えなかった売主の状況が好転し、買い取ってもらえる可能性もありますので、その際は購入価格に10%ほど上乗せして売却すれば、利益を確保することができます。

任意売却物件の融資の受け方

任意売却物件の購入時は資金調達が必要です。

不動産投資ローンやアパートローンを扱う金融機関に相談することになりますが、まずは信頼する不動産会社に紹介してもらうのが近道です。地方銀行や信用金庫、ノンバンクなどが積極的に融資を行っていますが、相談するときは「投資用不動産の任意売却物件の購入を考えている」とストレートに相談しましょう。任意売却物件の購入はスピード感が重要なので、できるだけ早く審査結果を出してもらいましょう。フルローンで融資してくれるケースはあまりないですが、もしこだわるなら、通帳に見せ金を入れておくことで資産状況を強調したり、良い属性の連帯保証人を立てたりすることで成功するケースがあります。

まとめ

市場価格よりも格安に物件を仕入れられる任意売却物件は、投資対象として非常に魅力的です。任意売却物件への投資を検討されるなら、本書にあるとおり、任意売却物件を取り扱う不動産会社を探す必要がありますが、不動産会社も「簡単に儲かる物件」は自社で手を加え、利益をのせて転売します。もしご自身で不動産投資の知識が不十分だと自覚されているのなら、割高な物件を購入することのないよう、不動産投資の一般的な知識や相場観を掴んでおくことが、結局は成功の近道かもしれません。



任意売却物件ではじめるローリスク不動産投資-元手100万円でできるマンション経営-

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