めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った 恐る恐るの不動産投資
まりお (著)
2022年5月8日更新
まだマンション投資をしたことがない人の中には、マンション投資に対して「ローンを組んで借金をするのが怖い」「空室が怖い」などのネガティブなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、株式投資やFXなど金融投資と比較すれば、マンション投資ほど堅実な資産運用はありません。マンション投資はローリスク・ミドルリターンの資産運用であり、非常にメリットの多いものです。
ただし、マンション投資のメリットを享受するためには、失敗しないためのルールを守る必要があります。プロの中では当然のルールであっても、投資に慣れていない人にとっては目新しいことも多いものです。
この記事では、マンション投資で成功するために守るべきルールについて、投資用マンション販売数日本一になったこともある著者の知見に基づき具体的に解説します。
不動産投資の経験がない人の中には、どんな物件を選べば失敗しないのかわからないという人も多いのではないでしょうか。ここからは、失敗しない投資用マンションの選び方などについて解説します。
不動産投資には一棟もの投資・戸建投資・店舗投資・新築マンション投資など、様々な手法があります。その中でも、リスクが最も少なく価格も手ごろで始めやすいのは中古ワンルームマンションの投資です。
中古ワンルームマンションは低価格なだけでなく、利回りも比較的高くなります。中古ワンルームマンションの実質利回りは東京都心で4%前後のものが多く、物件購入にローンを利用したとしても収益を上げることが可能です。
同じワンルームマンションだったら、中古より新築の方が良いのではと考える人もいるかもしれません。しかし、当然ながら新築マンションは中古マンションよりも割高です。
また、1人目の入居者が退去したら中古マンションとして新たな入居者を募集することになるため、すぐに利回りが下がってしまいます。そのほか、販売側から見ると、物件完成後販売までに時間がかかってしまうと、新築マンションもいずれ新築ではなくなってしまうのです。
不動産会社が利益を上げるためには、マンションが新築であるうちに販売を完了しなければなりません。このため、不動産会社は、不動産投資に関心はあっても知識があまりないサラリーマンなどをターゲットにしています。
著者は自身も88戸の不動産を所有する投資家です。著者が投資用物件を選ぶ上で最重要視しているポイントは立地であると言います。
日本は少子高齢化時代に入っており、2015年~2020年の年間平均人口増加率は-0.2%となっています。人口増加が続いているのは大都市圏の決まったエリアのみです。大都市の中でも、東京23区内はワンルームマンションの賃貸需要が圧倒的に高くなっています。
しかし、賃貸需要の大小は、エリアが1駅ずれるだけでも大きく変化するため要注意です。例えば練馬区では練馬駅周辺でワンルームマンションの賃貸需要が強くなっています。その一方で、練馬より西側のエリアではワンルームマンションの賃貸需要がそれほど強くありません。
また、小田急線も乗車人数が多い路線として有名です。しかし、その人気を支えているのは主にファミリー層であり、成城学園前駅まで行くと圧倒的にファミリー層の需要が強くなります。
このため、中古ワンルームマンション投資をするのであれば、小田急線沿線では祖師ヶ谷大蔵駅までを基準としてエリアを選ぶ必要があります。
投資用不動産を販売する不動産会社というと、営業成績に追われて強引な営業をしてくるなどのイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。ここからは、信頼できる不動産会社の見極め方について解説します。
不動産投資においては、不動産会社といっても役割ごとにその種類が異なるため、接触しようとしている不動産会社がどんな役割を請け負っているのか把握することが重要です。中古マンションに限ると、物件の仲介や販売だけを行う会社と、自社で物件を仕入れて販売し販売後の賃貸管理まで請け負う会社があります。
物件の販売だけを請け負っている会社には、多少条件が悪い物件であっても「売ってしまえばそれで終わり」という考え方をしている考え方をしているところも少なくありません。
その一方で、販売後の管理まで請け負っている不動産会社は物件販売後もオーナーとの付き合いが続くため、売り逃げのようなことはできません。
このため、信頼できる不動産会社を見極めるためには、物件販売後の賃貸管理まで請け負っているか、グループ会社に管理会社を持っているところを選ぶと安全です。
もう1点、不動産会社を選ぶ上で重要なポイントは、その会社は金融機関と提携しているか、提携している場合はローンの借入金利が何%かということです。
マンション投資では、新築・中古に限らずローンを利用して購入した物件を運用できる点にメリットがあります。なお、ローン返済は家賃収入を原資とするため、いくらで借りていくらで返すのかは後の資産形成にも関わる重要なポイントです。
2021年12月時点では、優良な不動産会社が提携している金融機関の借入金利は2%以下となっています。視点を変えれば、2%より金利が高い場合は、不動産会社が金融機関からまだ信頼を得られていない可能性もあるということです。そのような不動産会社は避けるのが無難と言えます。
マンション投資を含む不動産投資に対して、リスクが怖いと感じる人は多いものです。ここからは、不動産投資のリスクとして代表的な空室リスクについて、その対策を解説します。
空室期間をできるだけ短くするためには、入居者が入っている状態で売り出されているオーナーチェンジ物件を選ぶのも有効です。
空室物件を購入すると入居者が入るまでに時間がかかり、その間は家賃収入が入ってきません。また、物件の状態によっては室内のリフォームを要することもあります。手間やコストを考慮すると、マンション投資の初心者はオーナーチェンジ物件を選ぶのが安全です。
なお、オーナーチェンジ物件を購入する場合は、ローン審査通過後に融資が実行されて所有権が移転したその日から日割りで家賃が入ってきます。入居者への連絡については管理会社が行うため、オーナーの手間はかかりません。
不動産投資において空室が絶対に発生しない物件というのは存在しません。また、空室が長期化した場合に家賃の値下げを提案してくる不動産会社もあります。しかし、家賃の値下げは他に打つ手がないときの最終手段です。最初から値下げに踏み切るのは得策ではありません。
投資用不動産は中古マンションに限らず利回りありきで値付けされるため、家賃を下げてしまうとその後の売却価格にまで影響します。仮に2,000万円で購入した投資用マンションの家賃を月額1,000円下げると、その後の売却価格も30万円ほど下がると考えて問題ありません。
このため、空室が長期化した場合には、家賃を下げるよりもまずは礼金を無しにするのが得策です。それでも入居者が入らなければ敷金を無しにします。敷金・礼金も不動産投資における収入の1つですが、それぞれ一時的な収入にすぎません。
その一方で、家賃は継続的な収入であり、売却価格が下がる可能性にもつながります。家賃を下げると敷金・礼金よりも損失が大きいため要注意です。
まとめ
マンション投資で成功するために重要なポイントは主に以下の3点です。
知識を身につけて取り組めば、不動産投資はとても堅実な資産運用です。不動産投資を成功させるためには、本を読んだりセミナーに参加したりなど、まずは不動産投資について勉強することが重要になります。
【関連リンク】その他の本はこちらからご確認ください。
天田 浩平 (著)
2022年1月17日発行
人物
氏名
小川 進一
保有資格
・(公認)不動産コンサルティングマスター
・相続対策専門士
・不動産エバリュエーション専門士
・宅地建物取引士
・賃貸不動産経営管理士
・定期借地借家プランナー
プロフィール
不動産一筋35年!成約件数述べ5,000件以上。
自身も都内に複数所有している実践大家。